2025年夏の低山歩き 大楠山:安針塚駅~塚山公園~横須賀インター前~池上六丁目~大楠山山頂~大楠平~尾片瀬橋~前田川遊歩道~前田橋バス停~逗子・葉山駅

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春の低山歩きで訪れた武山につづいてまた三浦半島の低山、大楠山。横須賀市観光情報の大楠山のページでは、以下のように説明されている。

「大楠山は、三浦半島の最高峰(241m)です。この山を頂点として東西に延びる丘陵は風致地区として保護され、自然が豊かに残っています。山頂広場からは、富士山や東京湾を望むことができます。大楠山を中心に魅力ある5つのハイキングコースがあります。それぞれに個性豊かなコースで、ハイカーに人気の山です。桜・梅・山野草など四季を彩る花々をはじめ豊かな自然と景色が満喫できます」

同じサイトの別のページ「横須賀ハイキングコースマップ」に、5つのコースを紹介した「大楠山ハイキングコースマップ」があるので、それをたよりに歩くことにする。

5つのコースとは、JR横須賀線の田浦駅、あるいは京急の安針塚駅か逸見駅を出発点に、塚山公園、阿部倉を経由する「塚山・阿部倉コース」、JR横須賀線の衣笠駅を出発点に、衣笠山公園、しょうぶ園を経由する「衣笠コース」、大楠芦名口バス停を出発点にへっぴり坂を行く「大楠芦名口コース」、前田橋バス停を出発点に前田川遊歩道から登山道に入る「前田橋コース」、湘南国際村センター前バス停を出発点にゴルフ場に沿う道を登る「湘南国際村コース」。

われわれは、京急の安針塚駅を出発点にする「塚山・阿部倉コース」を登りに使い、「前田橋コース」を下った。

京急の安針塚駅に到着

10時過ぎに京急の安針塚駅に到着。「塚山・阿部倉コース」では、まず塚山公園を目指す。改札を出て、階段を下りたところには、道標らしきものは見当たらなかった。マップで南に向かうことはわかっているので、京急の線路の下を通って歩き出す。右手に公衆トイレがある。

塚山公園や大楠山への方向を示す道標

そろそろなにか出てこないとまずいのではと思いはじめたころに、道標を見つけた。ただし、避難場所を示す標識に比べて、その下の塚山公園や大楠山の道標は小さく、見落としてもおかしくない。

道標にしたがって進むと、その先の道では、大楠山ハイキングコースのしっかりした標識が設置されていた。

塚山公園に向かう山道

やがて山道に変わり、しばらく進むと急登になるが長くはつづかない。それでも猛暑のなかでは運動になるが。

塚山公園の公園案内

急な道を登り切ると、左手にトイレが見え、塚山公園の案内板の前に出る。ハイキングコースのガイドでは、以下のように説明されている。

「桜の名所として知られ、日本に数々の西洋文明を伝えた三浦按針とその妻をまつった「按針塚」を中心に広がります。3月下旬~4月上旬には「桜まつり」が開催され、多くの花見客で賑わいます」

塚山公園、中央広場の休憩所

この案内板の裏側が中央広場で、広場の一段高くなったところに大きな東屋があり、休憩所になっている。パートナーがそこで休憩しているあいだに、筆者は道を隔てて石段を登ったところにある安針塚へ。

塚山公園、三浦按針夫妻墓碑

公園の中心になっている三浦按針夫妻墓碑。ガイドでは、以下のように説明されている。

「三浦按針は、本名ウイリアム・アダムスという英国人です。オランダの商社(後のオランダ東印度会社)が東洋に派遣した艦隊の水先案内となり、太平洋を横断し、九州に流れ着きました。
のち徳川家康の信任を得、外交顧問となりました。また、航海術、天文学、造船術にもすぐれ、伊豆伊東で西洋帆船を造りました。三浦郡逸見村に250石を与えられ、三浦按針とよばれました。この墓は按針と妻女をとむらうもので、遺言によってこの地に建てられたと伝えられています」

塚山公園、見晴台から横須賀港方面の展望

休憩所に戻り、その裏手の高台にある見晴台に移動。写真はその見晴台から横須賀港方面の眺め。

塚山公園、芝生広場にある休憩所

見晴台から反対側に下ると、芝生広場があり、また別の立派な休憩所がある。だが、ハイキングコースを行くためには、この芝生広場に下るのはどうも間違いだったらしい。その先には、大楠山に向かうような道標が見当たらない。ここでどの道を行くべきか悩んでいると、昆虫採集にきた親子が通りかかり、道を教えてくれた。

塚山公園から大楠山に向かう道を示す標識

大楠山に向かう道は、見晴台を迂回するような道から分岐していたため、見晴台に登って向こう側に下りてしまうと、その分岐の先に出てしまうのだ。ということで、反対側から迂回する道をたどり、分岐から大楠山に向かう道に入った。

高速道路のわきに設置されたハイキングコースの道標

山道を下っていくと、高速道路のわきに出る。ここから、横須賀インター前を通って、しばらく普通の車道を歩く。コンビニもあったので、休憩してアイスクリームを食べた。そのコンビニがある交差点で右折し、池上六丁目の信号で左折し、幼稚園のわきを通って進む。

この先は順調に進むかと思いきや、横浜横須賀道路にぶつかる手前にある二股でつまずいた。右は阿部倉温泉の道標がある上りで、左は下る道。そこにたまたま通りかかった地元の男性と立ち話をして、大楠山にはどちらの道からでもいけると教えてもらった。そこで右の道を進み、横浜横須賀道路の陸橋をわたり、左折して上っていく道に入るが、大楠山への道標が出てこない。たまたま下ってきた男性に聞くと、どうもこの道ではないらしいので、横浜横須賀道路のわきまで戻ると、大楠山方向を示す小さな道標があり、道路に沿った細道を行くと、二股の下り道と合流した。下り道のほうは、横浜横須賀道路の下を通るトンネルになっている。

横浜横須賀道路のわきにある道標

合流点のそばにある道標。これだと「衣笠コース」の通過点にしか見えないが、もちろん「塚山・阿部倉コース」の通過点でもある。ここには公衆トイレも設置されている。

平作川に沿って道を進む

ここからは山道。平作川の上流にあたり、最初は川に沿って進む。

平作川から離れ樹林のなかを登っていく

平作川を離れ、樹林のなかを登っていく。急な階段を登り、尾根を進むとゴルフ場のわきに出る。しばらくゴルフ場に沿って進むと、大楠山の山頂に向かう急な階段の道と回り込む道の分岐がある。その250段の階段を登り、頂上へ。

広々とした大楠山山頂

広々とした大楠山山頂。横浜横須賀道路のわきから山頂まで誰にも会わない静かな山歩き。頂上の先客も親子がふた組だけで、われわれがのんびり食事をしている間に登ってきたのも、単独の男性がふたりだけ。やはり人が少ない山は落ち着ける。

閉鎖中の大楠山ビューハウスと螺旋階段の展望塔

山頂には大楠山ビューハウスという休憩所と螺旋階段を登る展望塔があるが、築60年以上を経過して老朽化が進み、いまは閉鎖されている。トイレはここから3分ほど下ったところにある簡易トイレを利用とのこと。

大楠平の道標

食事と休憩を終え、「前田橋コース」を下る。すぐに「前田橋コース」と「大楠芦名口コース」の分岐になる。道標が示すように、大楠平の簡易トイレは前田橋コースにあるのでわれわれには好都合。簡易トイレは、男性用・女性用がそれぞれ2つ設置されていたが、そのうち3つは故障中で、女性用のひとつが男女共用として使われていた。

大楠平にあるレーダー雨量観測所の展望台から眺める大楠山

大楠平には大楠山レーダー雨量観測所があり、その展望台から眺めた大楠山。

前田橋コースの樹林のなかを下る

前田橋コースの樹林のなかを下る。この下山のあいだにすれ違ったのは、単独のふたりだけ。

山道を抜けると前田川遊歩道に入る何度となく川をわたりながら進む前田川遊歩道

山道を抜けると前田川遊歩道に入る。ハイキングコースのガイドには、以下のように説明されている。

「前田川は、大楠山のきれいな沢の水や湧き水などが集まってできた清流で、自然環境の残された数少ない河川のひとつです。まるで山奥の大自然にいるような、非日常が味わえます」

川に沿った小道を想像していたらまったく違った。飛び石などを使って何度となく川を渡りながら、川沿いを歩きつづける。とても気持ちいい。こんな場所があるのはまったく知らなかった。土砂崩れで通行止めになっていた時期もあったようだが、普通に歩くことができた。

遊歩道の終点、お国橋から歩いてすぐのところに国道134号線、前田橋バス停がある。そこから逗子駅行きのバスに乗り、逗子・葉山駅バス停まで行き、京急に乗って山歩きは終了。