山梨県にある大菩薩嶺には何度か登ったことがある。この山に行くには、中央本線の塩山で下車して、バスで登山口まで行く。その塩山の手前にあるのが勝沼ぶどう郷駅で、いつも車窓から駅を取り巻くぶどう畑を眺めていた。
以前はその風景にさほど関心を持っていなかったが、ワインをよく飲むようになって興味がわき、行ってみることにした。ただし、下調べはゼロで、もちろんワイナリー見学の予約をしているわけでもないので、成り行きまかせのお気楽な旅である。
9:30をまわった頃に勝沼ぶどう郷駅に到着。ホームからぶどう畑が見える。雲がたれこめて、いつ降りだしてもおかしくないような空模様だ。
われわれが乗ってきた特急はまかいじを見送る。横浜から勝沼ぶどう郷までは、京浜東北線、横浜線、中央本線と乗り継ぐが、はまかいじだと乗り換えなしでこられるのでとても助かる。ただし、運転日には1日1往復だけなので、時間をうまく合わせる必要がある。
われわれは地図もガイドもなにも持ってないので、駅の案内所でエリアマップを手に入れる。
まずはどこか気持ちよく歩ける道はないかとマップをチェックし、いきなり町中に移動するのではなく、国宝の大善寺に向かってぶどう郷遊歩道を進むことにする。
ぶどう郷遊歩道を歩きながら、ぶどうを眺める。
ぶどう郷遊歩道を歩きながら、ぶどうを眺める。
ぶどう郷遊歩道を歩きながら、ぶどうを眺める。
ぶどう郷遊歩道から町中を見渡す。
ぶどう畑を抜けて国宝の大善寺に到着。この頃には雨が降り出していた。
大善寺から勝沼の中心部に移動するために、マップをたよりに旧甲州街道を西に進み、勝沼地域総合局入口の交差点を左折し、なりゆきまかせでワイナリー見物をはじめる。まず目についた盛田甲州ワイナリーのショップでワインを見てまわり、さらに南に進む。
ぶどう橋をわたって、シャトー・メルシャンに到着。ここで昼食をとることにする。この頃には天気も回復し、晴れ間も見えるようになっていた。
シャトー・メルシャンのテイスティングカフェで昼食。穂坂マスカット・ベーリーAや長野ピノ・ノワールキュヴェ・アキオなど6種のワインで、ランチプレートや魚介のマリネをいただく。
ワインギャラリー・ガーデンを眺めながらの昼食はなかなか気持ちがいい。
昼食後は、比較的こじんまりとした店構えのワイナリーを覗いてみることに。
こちらは、シャトー・メルシャンから道をさらに南に進んだところにある岩崎醸造。スタッフの女性に試飲をすすめられ、他に客がいなかったので、説明を受けながら何種類か試飲し、白ワインを購入。
岩崎醸造の先の交差点を左折し、すぐのところにあるくらむぼんワイン。
前の画像の入口から奥に進むと立派な古民家がたっていて、そのなかにワインサロンやテイスティングルームなどがある。こちらは、500円払って試飲し、ワインを購入すればその500円が返却されるシステムで、赤ワインを購入。
ここから来た道を少し戻り、岩崎醸造とシャトー・メルシャンの間にある蒼龍葡萄酒に入る。こちらは、店内の一角に試飲用のワインが置かれていて、自由に試飲ができる。ここでも赤ワインを購入。
最後は、盆地の東端の小高い丘の上にたつ勝沼ぶどうの丘をめざしてひたすら歩く。上り坂がけっこうきつかったが、なんとか到着。こちらは、宿泊施設、温泉、レストラン、そして1100円で200種類のワインが試飲できる地下ワインカーヴなどがある観光施設。
ぶどうの丘から勝沼ぶどう郷駅方向の眺め。小さく駅舎が見える。
われわれも時間があれば試飲するところだが、1日1往復のはまかいじで帰りたいので、1階のワインショップを見てまわるだけにとどめ、赤ワインを購入する。
ぶどうの丘から勝沼ぶどう郷駅に向かって坂道を下っていくと、駅の手前に旧勝沼駅のホーム跡があった。
いまではそのホーム跡が桜並木になっている。
旧勝沼駅ホーム跡の説明板。旧勝沼駅は大正2年(1913)に開業。昭和43年(1968)に複線化が行われ、プラットホームが現在の場所に移ったという。「旅客をはじめ、葡萄やワインの輸送に大きな役割を果たした旧勝沼駅のホーム跡は、往時の歴史を今に伝えています」
ぶどうの丘を目指して坂道を登っているときには、はまかいじは諦めたほうがよかとも思ったが、無事に勝沼ぶどう郷駅にたどり着き、予定通りに横浜に戻ることができた。