「ひこ孫 純米原酒 2014BY」は、菅田町のちょっと行きにくいところにある酒の旭屋で購入。
基本的な情報をまとめておくと(ラベルや醸造元である神亀酒造の商品説明を参照)、醸造元:神亀酒造株式会社/醸造元所在地:埼玉県蓮田市馬込/原材料名:米(国産)、米麹(国産米)/原料米:山田錦/精米歩合:55%/使用酵母:協会9号/アルコール分:18度以上19度未満/製造年月:2020.1。
通常のひこ孫は加水してある。わが家に置いてあるそのひこ孫(「埼玉の地酒、ひこ孫 純米清酒の熱燗でトマトソースのハンバーグをいただく――あるいは日本酒の熟成と燗への第三段階」)のアルコール分は15度だが、こちらは原酒で18度以上19度未満。しかも通常の3年の倍も熟成させている。
このひこ孫の原酒には下げ札(首掛け)がついていて、このように書かれている。「燗が冴える純米酒 このお酒はお燗でもお召し上がりいただけます。燗酒は料理の味をいっそう引き立てます」
特別なことが書いてあるわけではないが、この下げ札の裏を見る人はどのくらいいるのだろう。そこにはふたつのことが書かれている。まず「おいしいお燗のつけ方」。
「とっくりにお酒を入れて、ふたを開けたやかんなどでぬるま湯から温めるのが最上です。
電子レンジの場合は、とっくりを二本用意してください。片方のとっくりにお酒を入れて、お好みの温度に燗がついたら、もう一本のとっくりにお酒を移してください。このときお酒全体の温度が均一になり、おいしくお召し上がりいただけます」
そして、もうひとつのまったく違うメッセージがこちら。「このお酒は、三十五歳以上で人生の機微がわかる方におすすめします」
なかなか面白い下げ札だった。
杉田衛保『究極の日本酒 マリアージュで楽しむ純米無濾過生原酒16本』には、新亀のマリアージュについて以下のように書かれている。
「合う料理は、燗酒にふさわしく、肉、チーズです。硬水ですし、肉やチーズのタンパク質と相性がいいんです。もつ煮、肝煮や、煮込みハンバーグモッツァレラチーズ焼きなんていいですね」
この日の料理は、麹納豆の冷奴(「TOMIZ(富澤商店)の米麹で、塩麹、だし麹につづいて麹納豆をつくり、それをのせた冷奴やはんぺんのバター焼き、油揚げの麹納豆チーズ包みをいただく」参照)。つまみにいいし、免疫力もアップしそうなので、よく食べている。
《参照/引用文献》
● 『究極の日本酒 マリアージュで楽しむ純米無濾過生原酒16本』杉田衛保(花伝社、2016年)
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