「タマダ・ピロスマニ レッド」は、関内駅の近く、大通り公園のすぐわきに店を構える葡萄屋・関内店で購入。店内には世界40カ国以上のワインが並んでいるので、眺めているだけでも楽しい。スタッフの方がいろいろ丁寧に説明してくれるので勉強になる。
これまで飲んだことのない国のワインをと思い、ジョージア(グルジア)のピロスマニに決めた。
基本的な情報をまとめておくと(葡萄屋の商品ページ、TAMADAの商品ページ参照)、生産地:ジョージア、カヘティ地方、生産者:GWS(Georgian Wines and Spirits)社、品種:サペラヴィ種100%、甘辛:やや甘口、香り:ブラックベリー、ダークチェリー、黒コショウ。
葡萄屋の商品説明も引用しておく。「アラザニ地区産のサペラヴィ種を100%使用しています。色は明るいルビー色。サペラヴィ種はグルジアにとって合理的かつ独特なぶどう品種であり、世界中の他のワイン生産国に流通することは非常に少ないワインです。このワインの名前でもある、ニコ・ピロスマニ氏はグルジアの独特な光景を描く画家として知られています。 彼の作品の多くはグルジアの夜の食卓の中の習慣に焦点を合わせたものでした。彼の作品はGWS製品の多くのラベルの表紙を飾っています」
ジョージアはワイン発祥の地ともいわれる。 クヴェヴリと呼ばれる素焼きの壷で発酵・熟成させる伝統的な製法については、↓ こちらで詳しくレポートされている。クヴェヴリを作る職人の高齢化、後継者不足が問題になっていることがわかる。
↓ タマダ・ブランドを送り出しているGWS(Georgian Wines & Spirits)社は、ジョージア東部のカヘティ州テラヴィを拠点にするワイナリー。創立は1993年。その前身であるワイナリー、テラヴィ2が創設されたのが1976年ということで、昨年(2016年)には40周年を祝うイベントが行われた。この映像では、近代的な設備で研究・開発が行われているように見える。
TAMADAの商品ページでは、おすすめの料理として、スモークドポーク、ハモン・イベリコとメロン、チーズ、ドライフルーツ、ナッツなどが挙げられているが、筆者はジョージアの肉料理ハルチョーを作ってみた。ワインと合わせようとしたわけではなく、とりあえず、ジョージアの代表的な料理の味を知りたかったからだ。
この料理は、服部津貴子監修『世界遺産になった食文化〈5〉世界ワインのルーツはグルジア! グルジア料理』で紹介されていた。材料は、牛肉、にんにく、玉ねぎ、トマト、トマトピューレ、ブイヨン、ローリエ、クルミ、プラム、コリアンダーパウダー、カイエンヌペッパー、パプリカパウダー、黒コショウ、塩、レモン汁、フレッシュパセリなど。
作り方などは本を参照していただきたい。ただし、このレシピ、ひとつ注意すべき点がある。最初に肉を炒めて取り出しておくのだが、その肉を戻すタイミングがどこにも書いてない。レシピ通りに作ると、肉が取り残されることになるので、自分でタイミングを考えて戻す必要がある。
プラムやクルミがポイントになって酸味や辛味が絡み合った独特の味がかなり好み。そして、この料理を味わうと、ワインもより身近に感じられる。ピロスマニを最初に飲んだときには、いつも辛口ばかりなので、甘さに馴染めなかった。ところがだんだん甘さが気にならなくなり、独特のコクを楽しめるようになる。これまで味わったことがないようなタイプで、ちょっとした発見だった。