「奥播磨 山廃純米 兵庫夢錦五拾五 生 H26BY」は、芹が谷にある秋元商店で購入。
基本的な情報をまとめておくと(ラベルや醸造元・下村酒造店の商品説明を参照)、醸造元:株式会社下村酒造店/醸造元所在地:兵庫県姫路市安富町/原材料名:米(兵庫夢錦100%使用、兵庫県産)、米麹(兵庫夢錦100%使用:兵庫県産米)/精米歩合:55%/使用酵母:協会7号/アルコール分:17度以上18度未満/製造年月:2.1。
昨年(2019)の年明け早々に抜栓した「兵庫の地酒、奥播磨 純米 おりがらみ 生 H30BYの熱燗でおでんをいただく」以来になる2本目の奥播磨。その頃は新酒を味わいつつ、常温保存で熟成を待つようなパターンだったが、いまは新酒を3年寝かせるか酒造年度が3年以上前のものを手に入れるかという第三段階(「埼玉の地酒、ひこ孫 純米清酒の熱燗でトマトソースのハンバーグをいただく――あるいは日本酒の熟成と燗への第三段階」)に入っているので、新酒ではなく26BYを購入。
ちなみに、杉田衛保『究極の日本酒 マリアージュで楽しむ純米無濾過生原酒16本』には、奥播磨について「基本的には熟成向きの酒です。新酒だとかえってまだ良さがあらわれません。熟成させることによって、バランスが良くなり、まろやかになり、燗あがりがする酒です」と書いてあった。
下村酒造店は内陸にある蔵だが、仕込み水は軟水系で、山のものでも魚介でも合うような気がする。
ちなみに、前掲書には料理について以下のような記述がある。「料理法としては、鶏、鴨を取ってみても、単純に焼くだけでなく、ちょっと中華風に黒酢あんかけをかけて、「軍鶏黒酢あん」のようにすると非常に美味しい」
この日の料理はまず、塩麹を使った大根の醤油漬け。浅利妙峰『糀屋本店の塩麹レシピ』に「大根の醤油漬け」として紹介されていた料理にならったもの。塩麹は、「TOMIZ(富澤商店)の米麹で塩麹をつくり、2種類の豆腐のサラダや豚ロースの塩麹ソテーをいただく」で試して以来、常備するようにしている。材料は、大根、とろろこんぶ、赤唐辛子、薄口醤油、塩麹、酢など。味をなじませるのに1時間ほどかかるが、いいつまみになる。かなり気に入っている。
鶏手羽先の醤油煮込み。『食在揚州 郭長聚の中華料理 (暮しの設計 174)』に「鶏手羽先の醤油煮込み」として紹介されていた料理にならったもの。材料は、鶏手羽先、たけのこ、椎茸、長ねぎ、しょうが、水、砂糖、酒(澤屋まつもと厨酒)、醤油、水溶き片栗粉、サラダ油など。
奥播磨の熱燗で。55%まで磨いているので、きれいで、やさしく、まろやか。あと、生の風味も。第三段階にこだわると、どうしても火入れの割合が高くなるが、奥播磨や十旭日は熟成した生もけっこう出しているのでありがたい。
《参照/引用文献》
● 『究極の日本酒 マリアージュで楽しむ純米無濾過生原酒16本』杉田衛保(花伝社、2016年)
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