(※メモの状態のまま埋もれていた下書きをまとめた記事なので、季節感などがかなりずれている場合があります。なかには最低限の備忘録に過ぎない記事もありますが、振り返ってみると、1年半ほどの間にワインから日本酒に魅了されていく過程が見えてきて個人的に後々参考になりそうだったので、整理することにしました)
「田中農場 七割生原酒 H28BY」は、横浜線/東急田園都市線の長津田駅北口を出たところにある岸田屋酒店で購入。この店は、秋元商店と同じように熟成向きの酒が充実している。
基本的な情報をまとめておくと(ラベルや醸造元の諏訪酒蔵株式会社の商品説明、その他を参照)、醸造元:諏訪酒蔵株式会社/醸造元所在地:鳥取県八頭郡智頭町/原材料名:米(国産)・米こうじ(国産米)/原料米:鳥取県田中農場産山田錦/精米歩合:70%/アルコール分:18度/日本酒度:+8.0/酸度:2.1/製造年月:2017.04
醸造元のコメント:「酸味のきいた辛口の味わい。冷やでは、すべらかな口当たりと後口にかすかなにが味を感じます。お燗にするとグッと旨みとキレが増すお酒です」
原料米を生産している田中農場の特徴について:「完熟たい肥を近所の牧場と協力して作り、適正な量を使用する、一切化学肥料を使用しない土づくりを基本とする農法を実践」
醸造元の諏訪酒造は安政6年(1859)創業。仕込み水は、自家井戸から汲み上げる千代川(せんだいがわ)の伏流水。水質全硬度2程度の軟水。
「田中農場 七割生原酒」は、筆者が参考書にしている古川修『世界一旨い日本酒 熟成と燗で飲る本物の酒 (知恵の森文庫)』と杉田衛保『究極の日本酒 マリアージュで楽しむ純米無濾過生原酒16本』の両方で取り上げられている。前者では以下のように紹介されている。
「諏訪酒造のある智頭町から十数キロ離れた鳥取県の八頭町で、百ヘクタールの農地を耕す田中農場の山田錦を原料米とした純米酒。(中略)その山田錦を使用した「諏訪泉田中農場」には、五五パーセント精米と、七〇パーセント精米の純米酒がある。七〇パーセント精米の「田中農場」は優しさのなかに繊細で落ち着いた旨みと酸がひそんでいる。燗をすれば何杯でも食に合わせて進み、決して飲み飽きしない。喉越しのキレは後味の爽快さを演出する。山林と清らかな水の町である智頭町の風土、自然の恵みが、飲むほどに伝わってくる」
諏訪酒造株式会社のホームページでは、それぞれの純米酒に合う料理がレシピつきで紹介されていてありがたい。「田中農場 七割生原酒」の商品説明には、「牛フィレ肉と茸のソテー」のレシピがそえられている。また、おすすめの飲み方の説明でも、肉が勧められている。
「冷やの場合、辛口でかすかににが味を感じる印象のお酒ですが、お燗(50℃)にしてステーキなどの肉料理と合わせていただくと旨みが広がって本当に美味しい」
ということでこの日の料理は牛ももステーキ。材料は、ちょっとお安くて適度にサシが入った茨城産交雑種の牛もも肉、アスパラガス、じゃがいも。ソースは、田崎真也の『安くて旨い! ワイン&簡単おつまみ (PHPビジュアル実用BOOKS)』で「まぐろのペッパーステーキ」として紹介されている料理のソース。牛ステーキでもいける。材料は、赤ワイン、フォンドヴォー(フレークを使用)、バター、しょうゆ、塩、こしょう。「田中農場」の熱燗で美味しくいただいた。
《参照/引用文献》
● 『世界一旨い日本酒 熟成と燗で飲る本物の酒 (知恵の森文庫)』古川修(光文社、2014年)
● amazon.co.jpへ