白いんげん豆をトマトと煮込んだモロッコ料理ルビアをつくり、アルジェリア版、チュニジア版、エジプト版、レバノン版のレシピと比較・観察してみる

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「アーミッシュが備蓄している賞味期限のない食品20選」という動画をきっかけに、乾燥豆の備蓄を念頭に置き、積極的につくりだした豆料理。筆者の場合は乾燥豆だったが、この動画を見たら、きっと20種類の食品のどれかを備蓄したくなると思う。

まずわが家の乾燥豆のストックを調べ、期限の過ぎたひよこ豆を見つけて、ひよこ豆と鶏肉を煮込んだトルコ料理、タブクル・ノフト(Tavuklu nohut)をつくった。そのあとで今度は期限の過ぎた白いんげん豆が出てきたので、その半分を使い、一品をつくることに。

参考書は前回と同じ、『世界の豆料理 中東、アフリカ、米大陸、ヨーロッパ、アジアの郷土色あふれる120のレシピ』(誠文堂新光社、2016年)。世界を5つのパート、中東(レバノン/トルコ/イラン)、アフリカ(エジプト/モロッコ/西・中部アフリカ)、米大陸(メキシコ/ペルー/ブラジル/アメリカ合衆国)、ヨーロッパ(スペイン/ポルトガル/イタリア/フランス/ハンガリー)、アジア(インド/ミャンマー/中国)に分けて、様々な豆料理を紹介している。

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● 『世界の豆料理 中東、アフリカ、米大陸、ヨーロッパ、アジアの郷土色あふれる120のレシピ

今回、選んだレシピは、モロッコ料理ルビア・マア・メルゲーズ(Loubia ma merguez)。但し、実際につくるのはこの料理とはちょっと違う。レシピの下に以下の補足がある。「ルビアとは白いんげん豆の煮込みのことで、モロッコをはじめアルジェリアやチュニジアでも定番の豆料理です。これだけでメインのおかずにもなります」

ルビア・マア・メルゲーズとは、ルビアにメルゲーズ(羊肉のソーセージ)を加えて煮込んだもので、今回はそこからメルゲーズを引いた、シンプルなルビアをつくった。

白いんげん豆をトマトと煮込んだモロッコ料理ルビア

材料は、乾燥白いんげん豆、水、オリーブオイル、にんにく、玉ねぎ、ホールトマト缶、塩、黒こしょう、クミンパウダー、パプリカパウダー、ターメリック。トマトは缶詰ではなく、生のものをつかった。仕上げにちらしたのはパセリ。飽きのこない味で、いくらでもいけそうだ。

ちょっと調べたら、ルビアとはダリジャ(アラビア語モロッコ方言)で、豆を意味するが、モロッコ人にとってはルビア=白いんげん豆のこのシンプルな煮込みだという。

ということで、またつくるときのために、他のモロッコ版ルビア、あるいはアルジェリア版やチュニジア版、さらにはエジプト版やレバノン版のレシピと材料や料理術を比較・観察してみたい。

▼ モロッコ版ルビアのレシピ その1

基本的には今回つくったものと同じ。トマトは生のもの。パプリカパウダーは使わず、トマトペースト、コリアンダーやパセリのみじん切りを入れる。

▼ モロッコ版ルビアのレシピ その2

こちらも基本的には今回つくったものと同じ。ジンジャーやフレッシュハーブのみじん切りを入れる。

▼ アルジェリア版ルビアのレシピ その1

スパイスなどは同じだが、トマト系はペーストだけで、ほかにブイヨンやベイリーフを入れる。

▼ アルジェリア版ルビアのレシピ その2

これはルビアにソーセージを入れるアルジェリア版ルビア・マア・メルゲーズといえるレシピ。生トマトとトマトペースト、にんじん、タイム、ベイリーフ、レッドペッパーペースト、キューバンペッパーなども入れる。

▼ チュニジア版ルビアのレシピ その1

チュニジア版ルビアは、最初にミートボールをつくって、いっしょに煮込むというスタイルが目立つ。

▼ チュニジア版ルビアのレシピ その2

こちらも最初にミートボールを準備する。トマト系はペーストのみ。

▼ エジプト版ルビアのレシピ その1

エジプト版はスパイスがだいぶ変わる。7種類のスパイスを調合したセブンスパイス、ホールのカルダモン、ハリッサ、そしてフレッシュとドライのコリアンダーなど。

▼ エジプト版ルビアのレシピ その2

こちらはタイトルは白いんげん豆になっているが、黒目豆とビーフを煮込んでいる。パプリカパウダー、チリパウダー、セブンスパイスなどを入れる。

▼ レバノン版ルビアのレシピ

レバノン版ルビアといってよいかわからないが、いんげんとトマトの煮込み。レバノンでは、いんげんとトマトの組み合わせがポピュラーらしい。けっこう同様のレシピが出てきて、ルビアと呼ばれることもあるようだ。乾燥豆からはズレるが、簡単なのでつくってみようかと思う。