(※メモの状態のまま埋もれていた下書きをまとめた記事なので、季節感などがかなりずれている場合があります。なかには最低限の備忘録に過ぎない記事もありますが、振り返ってみると、1年半ほどの間にワインから日本酒に魅了されていく過程が見えてきて個人的に後々参考になりそうだったので、整理することにしました)
「奥播磨 純米 おりがらみ 生 30BY」は、芹が谷にある秋元商店で購入。
基本的な情報をまとめておくと(ラベルや醸造元・下村酒造店の商品説明を参照)、醸造元:株式会社下村酒造店/醸造元所在地:兵庫県姫路市安富町/原材料名:米(兵庫夢錦100%使用、兵庫県産)、米麹(兵庫夢錦100%使用:兵庫県産米)/精米歩合:55%/使用酵母:協会9号/アルコール分:17.8%/日本酒度:+7.4/酸度:1.9/アミノ酸度:1.4/製造年月:30.12。
醸造元のコメント:「奥播磨の新酒といえば「純米おりがらみ」と言われるほどの大人気商品です。うっすらと“おり”の絡んだ、さわやかな甘みを感じられるお酒です」
「奥播磨」ははじめて買った。筆者の参考書である古川修『世界一旨い日本酒 熟成と燗で飲る本物の酒 (知恵の森文庫)』には、「奥播磨」の「純米 山田錦(精米歩合80%、9号酵母)」が取り上げられていて、以下のように紹介されている。
「奥播磨は、どの酒も複雑な旨みと酸味が特徴だ。
精米歩合八〇パーセントの純米酒は、燗をすると複雑な味わいが調和し、バランスがよくなってくる。奥播磨は、やはり山田錦を用いた「白影泉」という熟成してから出荷する純米酒も造っていて、これも燗をするとなんとも言えない味わいが愉しめて、食中酒には最適だ。地元の夢錦という酒米を使った酒も落ち着いた旨みがあり、コストパフォーマンスに優れている。魚介類にはなんでもよく合う」
このおりがらみは、その夢錦を使った酒で、醸造元のサイトにはこの酒米について、以下のような説明がある。
「兵庫夢錦とは1993年度から酒米の奨励品種に採用され、県内西部の西播磨地域を中心に作付されています。系統的には山田錦の孫にあたります」
このおりがらみも、飲み切らずに残してあって常温で保存している。まだいくらかフレッシュ感も残っていて、やさしい甘みと酸が染みてくる。
▼ 醸造元も確認しておこう。下村酒造店は明治17年(1884)創業。仕込み水は、林田川の伏流水。
この日の料理はおでん。材料は、大根、にんじん、こんにゃく、しらたき、はんぺん、ちくわぶ、卵、たこ天、うずら巻き、こんぶ、かつお節、しょうゆ、みりん、澤屋まつもと厨酒など。「奥播磨」の熱燗で美味しくいただいた。
《参照/引用文献》
● 『世界一旨い日本酒 熟成と燗で飲る本物の酒 (知恵の森文庫)』古川修(光文社、2014年)