「マシャレッリ モンテプルチアーノ・ダブルッツォ 2013」は、関内駅の近く、馬車道と関内大通りの間、関内ホールのそばにあるイタリアワイン・食材専門店イル・カーリチェで購入。
我が家から関内方面に向かう鎌倉街道沿いにはワインを扱っている店がけっこうある。弘明寺にはほまれや酒舗、蒔田にはお酒の横濱屋 蒔田店、吉野町には横浜君嶋屋、関内には、大通公園脇に葡萄屋関内店、馬車道にイル・カーリチェ、さらに馬車道を進むとリカーマウンテン馬車道店などだ。時間があるときには、大きなバッグを持って、このルートを散歩する。途中で、カルディコーヒーファーム伊勢佐木町店や南蛮屋イセザキ店に寄って食材やハーブティーを購入したりもする。
先日はこのうちの3店をはしごし、横浜君嶋屋で「バローネ・コルナッキア モンテプルチアーノ・ダブルッツォ 2012」、葡萄屋関内店でルーマニアとスロヴァキアのワイン(詳しくは別記事で)、イル・カーリチェでこの「マシャレッリ モンテプルチアーノ・ダブルッツォ 2013」を購入してきた。
ということで、前日につづいて本日もモンテプルチアーノ・ダブルッツォ。
基本的な情報をまとめておくと(輸入業者のオーデックス・ジャパンの商品紹介とワイングロッサリーの商品紹介を参照)、生産地:イタリア、アブルッツォ、生産者:マシャレッリ、品種:モンテプルチアーノ、畑:キエティ、ペスカーラ、テラモ地区、標高145-400m、発酵:9月末から10月いっぱいの収穫で、ステンレスタンクで10-15日間、熟成:ステンレスタンクで20ヶ月。
ワイングロッサリーのコメント:「マシャレッリは、アブルッツォを代表する造り手として、今、最大の賛辞を国内外から受けています。深いルビー色を帯び、レッドベリー、チェリー、レッドカラントのキュートなアロマに、スミレの香りが複雑さを与えます。しっかりとコクのある味わいで、余韻も長く飲み応えあります!」
ワイナリーのマシャレッリについては、輸入業者オーデックス・ジャパンの生産者紹介と生産地紹介が非常に充実しているので、チェックされるのがよろしいかと思う。
モンテプルチアーノの認知度を高めることに貢献したワイナリーでも、前日のバローネ・コルナッキアとマシャレッリでは、その歩みが見事に対照的だ。前者は、商業農場としての歴史が16世紀末までさかのぼり、20世紀初頭にバローネ・フィリッポ・ヴィッツァッロ・コルナッキアが古くからのぶどう栽培の伝統をよみがえらせ、モンテプルチアーノ・ダブルッツォの生産をはじめ、その伝統がいまに引き継がれている(ワインの稲葉の生産者紹介に明記されているように、もちろん改革も行われている)。
これに対してマシャレッリは、1956年にアブルッツォ州のサン・マルティーノ・スッラ・マッルチーナ村に生まれた農夫の息子ジャンニ・マシャレッリが一代で築き上げた。しかもこの一家はぶどう栽培の専門家でもワイン生産者でもなかったという。彼はふたりの祖父から譲り受けたわずかなぶどう畑(それぞれトレッビアーノとモンテプルチアーノが植えられていた)を出発点に、品質の向上につとめ、独自のワイン造りによって評価を得ると同時に、モンテプルチアーノ・ダブルッツォとトレッビアーノ・ダブルッツォそのものの認知度を高めることに大きく貢献した。彼は一代で400haの畑を所有するまでになり、城を購入し、文化事業にも着手したが、2008年に52歳の若さで他界した。
↓ ジャンニ・マシャレッリの映像素材(イタリア語)。
そして、ジャンニの遺志を継いだのが妻のマリナ・ツヴェティッチ。彼女は、料理を扱う「Luxe Epicure」で、ワイン界で才能を発揮する10人の女性のひとりに選ばれ(Celebrating 10 Talented Women in Wine: Marina Cvetic From Italy’s Masciarelli Winery)、「The Huffington Post」のブログでも取り上げられる(Masciarelli Wants Montepulciano d’Abruzzo to Gain Respect Among Italian Wines)など、その手腕が高く評価され、マシャレッリをさらに発展させている。
マリナ・ツヴェティッチは、1967年にセルビアのベオグラードで生まれ、祖父の小さなぶどう畑で育った。成長した彼女は海外に出て、いくつかの国で暮らしたあと1987年にイタリアに移り、ジャンニ・マシャレッリに出会った。その数年後に結婚したふたりは、ワインメイカーとして揺るぎないパートナーシップを築き上げていった。
↓ マリナ・ツヴェティッチのインタビューやマシャレッリのぶどう畑が見られる映像素材(イタリア語/英語)。
マシャレッリのモンテプルチアーノは、前日のバローネ・コルナッキアのような凝縮感の魅力とはまた違い、口当たりがよくコクがあり、こちらもいける。イル・カーリチェのこのワインのポップには、リピーターが多く、人気のワインのように書かれていた。
本日の料理はまずなすとひき肉のトマト煮。材料は、なす、合挽き肉、トマト、にんにく、玉ねぎ、赤ワイン、ブイヨン(固形)、バルサミコ酢、塩、こしょうなど。
そして豚ヒレ肉のスカロッピーネ。材料は、豚ヒレ肉(ブロック)、玉ねぎ、マッシュルーム、じゃがいも、プチトマト、クレソン、小麦粉、オリーブオイル、バター、赤ワイン、フォンドボー(フレーク)、ローズマリー、塩、こしょうなど。肉を焼くときに我が家で育てているローズマリーを使った。鉢植えで成長がにぶかったので、ふた株のうちのひとつを地植えにしたらぐんぐん伸びだし、料理に使えるようになった。ソースは、前日の牛もも肉のステーキのために作ったものの残りを使い、玉ねぎとマッシュルームでアレンジした。