(※メモの状態のまま埋もれていた下書きをまとめた記事なので、季節感などがかなりずれている場合があります)
「七冠馬 純米生酒しぼりしな」は、磯子方面の散歩コースの近くに店をかまえる山本屋商店で購入。
基本的な情報をまとめておくと(裏ラベルを参照)、醸造元:簸上清酒合名会社/醸造元所在地:島根県仁多郡奥出雲町横田/原材料名:米(国産)・米麹(国産米)/原料米:島根県産改良雄町100%/協会泡無酵母901号/酒母:速醸/精米歩合:60%/アルコール分:17度以上18度未満/日本酒度:+4/酸度:1.8/杜氏名:松本年正/製造年月:2017.12。
醸造元のコメント(裏ラベルより):「島根県、奥出雲の風土に根ざした濃醇な太みのある味わいが特徴。五味のバランスがよく、どんな料理にも相性良い日本酒です」
まずは簸上清酒合名会社のホームページで沿革などをチェック。
泡無(あわなし)酵母発祥の地として知られるこの酒蔵は、島根県の南玄関、神話とたたらの里・横田で、1712年に創業。明治43年、町内の酒蔵を吸収合併。当時より銘柄を奥出雲一円の旧名「簸上三郡」からとり簸上正宗と称している。
▼ 簸上清酒合名会社の紹介動画。「デジタルの時代にアナログで美味い酒をつくっていくのが目標」
泡無酵母については、このような説明がある。この酒蔵で、昭和37年に新酒仕込みにおいて、普通は酒樽いっぱいに真っ白な泡が発生するはずなのに、泡のできない樽があることが発見されたのがきっかけとなり、研究、改良の結果、現在の協会泡無酵母が誕生した。
ただこれだけでは、筆者のような初心者には泡無酵母にどういう意味があるのかがわからない。そこでさらに調べ、「銘酒「七冠馬」「玉鋼」を生んだ泡無(あわなし)酵母発祥の酒蔵」で、疑問が解けた。
「泡無酵母の利点としては、タンクの中で泡ができないことから同じタンクでの醸造量が多くなることや泡の掃除などの労力が減ることがあります。また、泡がないことによって、密閉タンクで酒仕込みが可能で、そのまま貯蔵できる利点もあります。
ただ、泡がでない分、発酵の進み具合が目で分かりにくく、ここはプロの技が求められます」
▼ 筆者は2012年に伯耆大山に登ったあとで島根に移動し、出雲大社に参詣した。そんなこともあり、神話の里と呼ばれる横田や簸上(ひかみ)の名称と出雲大社の結びつきに興味を覚えていた。そこで見つけたのが以下の動画。横田の豊年舞が出雲大社に奉納されるこの行事では、舞の行列ののぼりに「簸の上神話発祥の地」の文字があり、神話を通じた横田や簸上と出雲大社の深いつながりを想像させて興味深かった。
こちらは、2012年に筆者が出雲大社に参詣したときの写真。翌年の2013年に60年ぶりの遷宮を迎えることになっていたため、御仮殿での参詣となった。
「七冠馬 純米生酒しぼりしな」も「南部美人 プリマ 特別純米 無濾過生原酒」と同じく、山本屋商店で、試飲させていただいて購入した酒。若旦那がバナナのような香りといって出してくれた酒だが、飲んでみてなるほどと思った。穏やかな香りで、ほどよい酸味もあり、いろいろな料理に合わせやすそうな酒だ。
本日の料理はまず、生青のりときゅうりと竹輪の酢の物。近所の鮮魚店・作清で、味噌汁に入れても酢の物にしても美味しいとおかみさんに勧められて購入した生青のりだが、味噌汁も酢の物もほんとうに美味かった。
作清のご主人のお勧めは小むつ。こちらはその小むつの煮つけ。例によって「澤屋まつもと 純米 厨酒」を使った。とても身離れがよく、ふたりでぺろりと平らげてしまった。
さらに残った小むつをから揚げにしてみた。レモンとタルタルソースでいただいたが、こちらもいける。
翌日は、めばるのオリーブオイル焼き カラブリア風。吉田勝昭『地中海料理 暮しの設計145号』に「メバルのオリーブ油焼き カラブリア風」として紹介されていた料理にならったもの。
材料は、めばる、マジョラム、ケイパー、ブラックオリーブ、オリーブオイル、バター、刻みパセリ、塩など。ケイパーやオリーブをよく使うのは、カラブリア地方などイタリア南部の料理の特徴であるとのこと。めばるをソテーして、ケイパーとオリーブのソースをかける簡単な料理で、このソースは他の魚でも試してみたくなる。