
「デパ地下の地場野菜コーナーで東洋種のオレンジ色と紫色のにんじんを買い、葉のふりかけ、発酵紫にんじん、サラダなどをつくり、酵母起こしにもトライする」で最初に取り上げた2種類のにんじん。
「外側が紫色で芯付近が黄色のにんじんパープルスティックから酵母を起こし、中種法で黒ゴマとクミンシードを練り込んだカンパーニュを焼き、酵母由来の独特の風味を感じる」で書いたように、紫にんじんはパープルスティックと呼ばれていることがわかったが、オレンジ色のほうはよくわからないので、とりあえず「長にんじん」としておく。
今回は、酵母起こしに着手し、「発酵にまつわる日々の作業」で進捗状況を断片的にお伝えしていた長にんじん酵母のまとめ。

固形物を濾した長にんじん酵母エキス。ここでパープルステッィク酵母エキスと大きな違いが出た。パープルスティックのほうは、固形物と液体を簡単に分けることができたが、こちらは、布で搾るように濾したほうがよかったかと思うほど分離するのに時間がかかった。この違いは発酵の度合いとも関係があるのか?

長にんじん酵母エキスと全粒粉をよく混ぜて、中種を仕込む。同じタイミングで仕込んだパープルスティック酵母の中種は、気泡ができて膨らんできたが、この長にんじん酵母の中種は、なかなか気泡もできず、膨らみもしない。最初の頃であれば、この反応を見て諦めてしまっただろう。だが、発芽玄米酵母の中種が、ずいぶん時間がたってから膨らみ、発酵は遅くてもわりにいいパンが焼けのがわかってから、気長に様子を見るようになった。

時間はかかるが育たないわけではない。強力粉と水を継ぎ足し、時間をかけると3倍くらいに育つ。
ただ、この長にんじん酵母の中種については、途中で仕事が忙しい時期に入ってしまい、しばらく冷蔵庫で寝かせ、最後にもう一度継ぎ足しをして育ててから、生地をつくり、焼いたので、必要以上に時間をかけてしまった。生地をつくるときの中種は、粘りが弱く、とろとろしている感じで、かなり不安になった。
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