(※メモの状態のまま埋もれていた下書きをまとめた記事なので、季節感などがかなりずれている場合があります。なかには最低限の備忘録に過ぎない記事もありますが、振り返ってみると、1年半ほどの間にワインから日本酒に魅了されていく過程が見えてきて個人的に後々参考になりそうだったので、整理することにしました)
「悦凱陣 山廃純米 無濾過生 オオセト H29BY」は、芹が谷にある秋元商店で購入。
基本的な情報をまとめておくと(ラベルなど参照)、醸造元:有限会社丸尾本店/醸造元所在地:香川県仲多度郡琴平町/原材料名:米・米麹/原料米:香川県産オオセト100%/精米歩合:60%/使用酵母:熊本9号/仕込総米:1000kg/日本酒度:+7/酸度:2.1/アミノ酸度:1.5/アルコール分:17度以上18度未満/醪日数:30日/醸造年度:平成29酒造年度仕込第13~14号/製造年月:30.06。
醸造元のコメント(裏ラベルより):「凱陣は、四国は讃岐の国こんぴらさんの東に在る蔵の手造り清酒です。当初は幕末時代天領で桂小五郎や高杉晋作が潜伏していたこともある蔵で、選び抜かれた国内の新米と讃岐の偉人空海ゆかりの満濃水系の伏流水を使い丹精込めて醸し上げた純米造りのお酒でございます」
「凱陣」は、秋元商店のご主人オススメの銘柄のひとつで、筆者もファンになり、いまでは他に、赤磐雄町、阿州山田錦、八反、花巻亀の尾、神力、信州美山錦など数本を常温保存で置いてある。
丸尾本店は、明治18年(1885)創業。裏ラベルには、「こんぴらさんの東にある蔵」とある。筆者は2014年に石鎚山に登ったとき、その前に琴平で1泊し、金刀比羅宮に参詣するだけでなく、琴平周辺も散策したので、近くを歩いていたことになる。
凱陣の旨さは、言葉にするのがなかなか難しい。杉田衛保『究極の日本酒 マリアージュで楽しむ純米無濾過生原酒16本』では、「酒だけで飲むと、なめらかなナッツのような熟成の香り、樽で保存したワインのような香りがします」と表現されている。古川修『世界一旨い日本酒 熟成と燗で飲る本物の酒 (知恵の森文庫)』では、「酒の旨みということを理解してもらうには言葉はいらない。悦凱陣を飲んでもらう、それだけでいい」と表現されている。
このメモをまとめる前に、しまってあったこの凱陣 オオセトを少しだけ飲んでみた。開栓後、常温保存でほぼ11か月がたったオオセトは、栓を開けただけでたまらなくよい香りが漂い、とても旨かった。
本日の料理はまず、あさりの酒蒸し。材料は、あさり、にんにく、こしょう、酒(澤屋まつもと厨酒)、バター、パセリなど。
こちらは、ホタテとまいたけのホイル焼き。『女将さんの居酒屋料理―この酒に、この肴 (暮しの設計 (234号))』に、「帆立と舞茸 ホイル焼き」として紹介されていた料理にならったもの。材料は、ホタテ貝柱、グリーンアスパラガス、まいたけ、サラダ油、小麦粉、バター、日本酒、レモン、塩、こしょうなど。
ちなみに、『世界一旨い日本酒 熟成と燗で飲る本物の酒 (知恵の森文庫)』には、凱陣のマリアージュについて以下のように書かれている。
「この力強い酒は、色々な食べ物に絶妙の相性を示す。蛤、赤貝、牡蠣、青柳などの貝類は独特の旨みを持っているが、悦凱陣の旨みが重なって互いを引き立て合う」
《参照/引用文献》
● 『究極の日本酒 マリアージュで楽しむ純米無濾過生原酒16本』杉田衛保(花伝社、2016年)
● 『世界一旨い日本酒 熟成と燗で飲る本物の酒 (知恵の森文庫)』古川修(光文社、2014年)