● レモンバームはシソ科・セイヨウヤマハッカ属の多年草。ティーに使うのは主に葉の部分。縁がぎざぎざした卵形の葉に触れるとレモンの香りが漂う。葉はいつでも摘める。保存する場合は、開花直前に収穫し、束ねて乾燥させる。
こちらはハーブ専門店enherbに行ってパッケージで購入したレモンバーム。15gで税抜500円。原料原産地はブルガリア。このハーブの効能は、まず鎮静。『メディカルハーブ事典』では、以下のように説明されている。
「シソ科のレモンバームは、かつて『人を喜ばせるハーブ』と呼ばれたほど、ストレスや不安を和らげる穏やかな効用を持つハーブとして数千年にわたって用いられてきた。ドイツでは、レモンバームを緊張、不安、不眠の治療に用いることも承認されている。子どもと成人を対象とした研究で、レモンバームを鎮静効果が認められているバレリアンと組み合わせて摂取すると、不安感が軽減し、睡眠が改善されることが確認されている」
そしてもうひとつ、胃腸方面に不安を抱える筆者が期待しているのが、消化作用だ。「レモンバームはあらゆる年齢で利用できる消化剤でもある。消化管の筋肉をゆるやかに弛緩させる効果を持つためだ。ヨーロッパ諸国やドイツの保健機関は、軽い消化管のけいれんや、膨満感とガスの軽減に用いることを認めている」
佐々木薫『ハーブティー事典-108種の効能から味・香り、利用法まで解説!』には、ハーブに含まれる成分まで明記されていて、とても勉強になる。それによればレモンバームの主要成分は、「精油、ポリフェノール、タンニン、苦味質、フラボノイド、ロスマリン酸、トリテルペノイド、樹脂」。
筆者は、よく食後や寝る前に、5分くらい蒸らして飲んでいる。すっきりした味わいで、ジャーマンカモミールと同じく、すでに常備のハーブになっている。
また、レモンバームを秋蒔きで種から育ててもいるが、そちらはいずれ報告することにしたい。種を蒔く時期が少し遅れたので、発芽率はあまり芳しくなかったが、寒さをしのいでゆっくりと育っている。
《参照/引用文献》
● 『メディカルハーブ事典』日本語版監修・日本メディカルハーブ協会(日経ナショナル ジオグラフィック社、2014年)
● 『ハーブティー事典-108種の効能から味・香り、利用法まで解説!』佐々木薫(池田書店、2007年)
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