乾燥豆の備蓄を念頭に置いた豆料理レッスンのきっかけは、「アーミッシュが備蓄している賞味期限のない食品20選」という動画。20種類の食品のなかで、乾燥豆は生蜂蜜に次ぐ第2位で、「アーミッシュの自給自足の礎」と表現されている。
前回はセネガル風黒目豆のサラダ、ブラックアイド・ピー・サラダをつくった。今回はレンズ豆。

伊勢佐木町裏通りにあるアジア食材店東京ローズで購入したマスールホール(レンズ豆)。原材料名:ひら豆/内容量:1㎏/原産国名:インド/輸入者:HARMONY有限会社/賞味期限:2026.06/価格:420円(税抜)。

豆料理の参考書は前回と同じ、『世界の豆料理 中東、アフリカ、米大陸、ヨーロッパ、アジアの郷土色あふれる120のレシピ』(誠文堂新光社、2016年)。世界を5つのパート、中東(レバノン/トルコ/イラン)、アフリカ(エジプト/モロッコ/西・中部アフリカ)、米大陸(メキシコ/ペルー/ブラジル/アメリカ合衆国)、ヨーロッパ(スペイン/ポルトガル/イタリア/フランス/ハンガリー)、アジア(インド/ミャンマー/中国)に分けて、様々な豆料理を紹介している。
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● 『世界の豆料理 中東、アフリカ、米大陸、ヨーロッパ、アジアの郷土色あふれる120のレシピ』
今回選んだのは、メキシコ南部、オアハカ地方の料理というレンテハス・コン・フルタス。パイナップルやバナナも入ったレンズ豆の煮込み。

こちらが完成したレンテハス・コン・フルタス。材料は、皮付きレンズ豆(乾燥)、豚肉、ベーコン、水、玉ねぎ、パイナップル、バナナ、サラダ油、にんにく、塩、クミンパウダー、オレガノ(乾燥)。バナナはレシピでは普通のバナナのようだが、東京ローズで購入したフィリピン産サババナナ(調理用青バナナ)を使った。オレガノは、先日庭で収穫して乾燥させたものを使った(「地植えのハーブ、レモンバームとオレガノを収穫し、葉を乾燥させて、ふたつをブレンドしたハーブティーを飲む」)。
レンズ豆は前回の黒目豆と同じく前の晩から水に浸さなくても調理できるので、手間はかからない。調理用青バナナがあったので使ってしまったが、Lentejas con frutasという名前からしてフルーツを味わう料理のようなので、普通のバナナを使ったほうがよかったかもしれない。先に塩をすりこんでおいた豚肉やベーコンとパイナップルの組み合わせがおいしい。
ということで、またつくるときのために、他のレシピの材料や料理術と比較・観察してみる。
やはりフルーツをたくさん入れている。まずレンズ豆をゆでる。玉ねぎ、にんにく、トマトをミキサーにかけて濾す。パイナップル、リンゴ、オレンジ、バナナ、コリアンダーを刻んでフライパンで炒め、濾したトマトを加え、さらにレンズ豆をゆで汁ごと加えて煮込み、塩こしょうで味を整える。まさにレンズ豆とフルーツの煮込み料理。
こちらも材料はだいたい同じ。玉ねぎとにんにくは、レンズ豆をゆでるときに風味づけとして使うだけ。刻んだパイナップル、リンゴ、バナナ(皮付きのまま)を炒めて、豆の鍋に加える。さらに刻んだトマトを炒めて鍋に加え、塩こしょうで味を整える。なんともシンプル。バナナは食べるときに皮をむく。どちらも肉類は使わず、スパイスもほとんど使わない。ヴィーガン向きの料理ともいえる。