マリー=クレール・フレデリックが『発酵食の歴史』で引用していた(「クビンスのヨーグルトメーカーでヴィーリをつくり、フレデリックの『発酵食の歴史』で発酵の歴史や文化に思いを巡らせつつ、ヴィーリをソースに使ったスパイシーチキンソテーをいただく」)サンダー・エリックス・キャッツの『サンダー・キャッツの発酵教室』を読んで、発酵への興味がさらに膨らみ、発酵食品として最初に紹介されているザワークラウトをつくってみることにした。
つくり方はいたって簡単。要約すれば、キャベツを刻んで塩をふりかけて混ぜ、容器に押し込むようにすき間なく詰め、落とし蓋と重しをする。あとは発酵して酸味が出てくるのを待つだけ。
仕込んで1日もしないうちにキャベツから水分が出て、キャベツの上までくる。半分にして売っているキャベツだと水分がいくらか抜けているかもしれないので、全部使わなくてもまる一個のものを用意したほうがよさそうだ。
3、4日もするとキャベツからぶくぶくと泡が出てきて、その様子にえもいわれぬ高揚感を覚える。偏在する微生物の働きを身近に感じられるからだろう。はまる要因は、もちろん実際においしいということもあるが、この高揚感も大きい。
そのまま日本酒のつまみに。
サンダー・エリックス・キャッツは、「ほとんど毎日のようにザワークラトを食べるようになり、20年間にわたって次々とザワークラウトを作り続けていたら、「サンダークラウト」というニックネームで呼ばれるようになった」ということだが、そこまでのめり込むのもわかる気がする。わが家でも自家製ザワークラウトを常備するようになった。
《参照/引用文献》
● 『サンダー・キャッツの発酵教室』サンダー・エリックス・キャッツ 和田侑子/谷奈緒子訳(ferment books、2018年)
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