美味しいテーブルオリーブを味わいたい

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モート・ローゼンブラムの『オリーヴ讃歌』のなかで、オリーブの故郷を旅する著者が出会ったパレスチナ人の栽培家ファリド・ムカルカルは、こんなことを語っていた。

「『見てみな』ファリドは腕の力こぶを叩いて見せた。『当年とって六十七、まだまだ頑丈だ。オリーヴを食べて生きてきたからな。パンをオイルに浸して、タイムを散らして食べるのさ。何だってこんな肉がつくのかわからんがね。おれの叔父は百十歳だが、喧嘩になれば、あんたの方がぶちのめされるね。毎日オイルを体にすりこんでるし、もちろん実だって食べる。叔父も一生オリーヴづくりの仕事をしてきたんだ』」

筆者は、オイルを体にすりこむところまではいっていないが、実は毎日食べるようになった。ただ、ひと口にオリーブの実といってもいろいろある。再び『オリーヴ讃歌』からのの引用になるが、本書では、国際オリーヴオイル協会(IOOC)のイタリア人事務総長ファウスト・ルケッティの活動が以下のように綴られていた。

「そのほかルケッティは、高品質低価格の一般向けオイルを、まだオリーヴ油に目覚めていない大衆にも次々に買ってもらおうと、力を尽くしている。遅れた大衆を、まずい『完熟黒オリーヴ』の缶詰や、苛性ソーダ溶液で処理した、ピメント入りグリーンオリーヴ以外の商品に目覚めさせる役割まで期待されているのである」

マダマ・オリヴァのシシリー産グリーンオリーブ100g近所のマルエツで購入したもう1種類のシシリー産グリーンオリーブ

では美味しいテーブルオリーブをどこで探すか。ネットならいろいろ選べそうだが、とりあえず筆者は近所のマルエツに。瓶詰や缶詰の棚ではなく、チーズ類が並ぶ冷蔵ショーケースに向かい、2種類のオリーブの塩漬けを見つけた。ビニールパックのものは、賞味期限はそれほど長くないが、瓶詰などよりも加工の工程が少ないぶんだけ素材本来の旨みが味わえるはず。

冷蔵ショーケースに並んでいたのは、マダマ・オリヴァの「Green Castelvetrano Olives」ともうひとつはメーカーがよくわからない「Sicilian Green Olives」の2種類。どちらも内容量は100gで、値段は前者が570円で、後者が450円。後者には以下のような日本語の説明がある。

「カステル・ベトラーノと呼ばれるシチリア産のグリーンオリーブ(種付)です。歯ごたえのあるジューシーな果肉が特徴です。本場の味をお楽しみください」

一方、前者はレシートで成城石井オリーブとなっていたので、成城石井.comをチェックしてみると、100gではなく、150gのものが販売されていた。ラベルがまったく同じなので、間違いないと思う。

<以下、商品リンク>

マダマ・オリバ シシリー産 グリーンオリーブ 150g

<以上、商品リンク>

参考までに、マダマ・オリヴァ シシリー産グリーンオリーブ 150tgの商品説明を引用しておく。

「フレッシュオリーブは他のオリーブと何が違うのかというと、製造の過程で加熱処理をしないということです。缶詰や瓶詰めのオリーブの多くは、賞味期限を長持ちさせる為に、加熱殺菌をします。その反面、オリーブ本来の風味や食感は損なわれてしまいます。
 こちらのシリーズは全て非加熱処理の為、取れたてのオリーブのフレッシュさと食感をそのまま味わうことが出来ます。ポリポリ、シャキシャキとした食感はフレッシュオリーブならではです」

2種類のオリーブはどちらもシシリー=シチリア産で、カステル・ベトラーノ=Castelvetrano という呼び名で流通している同じ素材の塩漬けということになる。そして、どちらも美味い。筆者が食べたことのある瓶詰などのオリーブとはまったく違う。謳い文句にあるように、シャキシャキした食感で、果肉から旨みが滲み出し、口のなかに豊かな風味が広がる。違いといえば、写真でわかるように、前者が漬け汁で満たされているのに対して、後者は漬け汁がごくわずかであるため、漬かり具合やシットリ感にいくぶん差がある程度だ。ということで、毎日、どちらかのオリーブをひと粒、ビールやワインのつまみの一品として食べている。当分はこの2種類だけでも満足できそうだ。いずれこの2種類を基準として、他のフレッシュオリーブも試してみたい。

ちなみに、日本で初めてのオリーブの実の専門店“オリーブマーケット”のサイトでは、オリーブに関する様々な興味深い情報に触れることができるが、テーブルオリーブの消費量については、以下のようなデータが紹介されている。

「消費量はアメリカが年間一人当たり約597g、スペインは年間一人当たり約3,670g、日本は年間一人当たり約18gで、これは特大品種のオリーブの実のはぼ1粒程度です」





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