サワードウ・スターターを起こせた(ような気がした)ので、サワードウ・ブレッドを焼いてみて、失敗も含めた実験の楽しさを実感する

スポンサーリンク

天然酵母でパンをつくるために、まずはクビンスのヨーグルトメーカーでレーズン酵母をつくってみる」の冒頭で書いたように、自家製酵母のパンに興味を持つきっかけになったのは、サンダー・エリックス・キャッツの『サンダー・キャッツの発酵教室』だった。最初に試したのは、同書で紹介されているサワードウ・スターター。最初はうまくいきそうに見えたが、分離してしまい失敗。

丸型のバヌトンを使って初めて焼いたパン

そこで、もう少しハードルが低そうなレーズン酵母でパン作りをするようになり(「今度はヨーグルトメーカーを使わず冬場の常温でレーズン酵母を起こし、生地に使ってカンパーニュ風やノルマーレなどのパンやピザを焼いてみる」)、さらに、りんご酵母でもパンが焼けた(「レーズンにつづいて今度は冬場の常温でりんごから酵母を起こし、中種をつくり、それを使った生地でパンを焼いてみる」)。

ただ、その間もサワードウ・スターターの試みは継続していた。前掲書には「小麦粉はどんな種類でもOK」とあったので一般的な強力粉を使っていたが、国内外の記事をざっと見渡して、ライ麦粉と全粒粉がよさそうだと思い、やってみたが、この2度目の試みも途中で膨らまなくなり挫折(振り返ってみると失敗というわけではなかったのかもしれない)。

ライ麦粉と全粒粉と水から起こしたサワードウ・スターター

そこで思い出したのが、前掲書の「この世界で、発酵ほど簡単に始まることはない。酵母や細菌はどこにでもいる」という記述。要するに、決まった方法があるわけではなく、そういう営みを生活に取り込むだけのことだと思い、ライ麦粉と全粒粉と水を混ぜて、気長に捨てて足してを繰り返すうちに、いつしか安定して膨らんでくるようになった。

スターターを起こし、なんとか焼けたサワードウ・ブレッド

これでできているのか確信がないまま、このサワードウ・スターターを使って生地をつくり、ストレッチ&フォールドを繰り返し、バヌトンに入れて24時間近く冷蔵発酵させて焼けたのが、こちらのパン。クープもちゃんと割れてないし、失敗に見える。

サワードウ・ブレッドのなかにはけっこう大きな空洞が

十分に冷ましてから切ってみると、なかにはけっこう大きな空洞ができていた。

どう見ても失敗なのだが、食べてみたらすごくおいしい。これまでつくったレーズン酵母やりんご酵母のパンにはない独特の弾力や食感、風味があって、これを失敗といったらパンに失礼なほどのおいしさ。パートナーも同意していたので錯覚ではない。

サンダー・エリックス・キャッツは、「教科書通りにやらなくてもOK。実験して楽しもう!」と書いているが、確かにこの実験は楽しい。

《参照/引用文献》
● 『サンダー・キャッツの発酵教室』サンダー・エリックス・キャッツ 和田侑子/谷奈緒子(ferment books、2018年)





● amazon.co.jpへ