(※メモの状態のまま埋もれていた下書きをまとめた記事なので、季節感などがかなりずれている場合があります。なかには最低限の備忘録に過ぎない記事もありますが、振り返ってみると、1年半ほどの間にワインから日本酒に魅了されていく過程が見えてきて個人的に後々参考になりそうだったので、整理することにしました)
「残草蓬莱(ざるそうほうらい) 四六式 特別純米 槽場直詰 無濾過生原酒 28BY」は、弘明寺商店街のほまれや酒舗で購入。
基本的な情報をまとめておくと(裏ラベルなどを参照)、醸造元:大矢孝酒造株式会社/醸造元所在地:神奈川県愛甲郡愛川町田代/原材料名:米・米麹/原料米:長野県産美山錦100%使用/精米歩合:60%/アルコール分:18度/酸度:2.8/製造年月:29.08。
醸造元のコメント:「このお酒は仕込みに使う麹の一部に白麹を使用した商品です。白麹ゆえに標準的な日本酒より酸度が高めになっております」
大矢孝酒造は、文政13年(1830)創業。仕込み水は、丹沢水系の伏流水を使用。記憶にある限りでは、地元神奈川の地酒はこれがはじめて。裏ラベルでは、「酸度:2.8」が赤字で強調されている。いまではそれがかなり高い数値だとわかるが、この当時はまだなにも知らずに、日本酒を気分で選んでいたのでその数値もピンとこなかった。ただし、実際には酸が数値ほどに突出しているようには感じなかった。バランスがとれているということなのだろう。
ネットで見つけた大矢孝酒造の蔵元のインタビューに(「【蔵元インタビュー】大矢孝酒造 大矢俊介さん 第2回 ‐ かながわ酒&農マガジン goo-bit」)印象的なコメントがあった。
「こうして日本酒を飲むようになって、最終的に純米燗酒に来てくれればいい。このゾーンはいきなりだと「うわ、“酒” だ!」で終わってしまう。本当の旨さって、一発では気づいてくれないんですね。燗酒の複雑な味わいは日本酒を飲んだことのない人が飲んでもちょっとわからない。それはもう仕方ないんですよ。段階を踏まないといけないのでちょっと難しいけど、このゾーンが広がってきているのは事実です」
この発言を踏まえるなら、この時期は段階を踏んでいく一歩手前あたりといえる。
本日の料理はまず、いわしの梅煮。材料は、いわし、しょうが、梅干、ごぼう、酒、しょうゆ、みりん、砂糖など。
こちらは、するめいかと大根に煮もの(いか大根)。『女将さんの居酒屋料理―この酒に、この肴 (暮しの設計 (234号))』に、「イカ大根 おふくろの味」として紹介されていた料理にならったもの。材料は、大根、するめいか、だし汁、砂糖、みりん、醤油など。
するめいかと大根の煮もので余ったいかのゲソや耳でつくったバターしょうゆ焼き。
いまだったらこの酒を燗にして、酸や甘みの変化を楽しむところだが、当時は冷やしてあったものをそのまま飲んでいた。