「瑞冠 純米 山廃仕込 合鴨農法米 亀の尾 2016BY」は、東急線・新丸子が最寄り駅になる田原屋酒店で購入。
基本的な情報をまとめておくと(裏ラベルなど参照)、醸造元:山岡酒造株式会社/醸造元所在地:広島県三次市甲奴町西野/原材料名:米(国産)・米こうじ(国産米)/原料米:広島県産 アイガモ農法米亀の尾/原料米生産者:瀬尾誠・山岡克巳/精米歩合:65%/酵母:協会1401/アルコール分:16度以上17度未満/日本酒度:+13/酸度:1.5/アミノ酸度:1.3/杜氏:畑中裕次/2016醸造年度。
醸造元のコメント(裏ラベルより):「合鴨を水田に放し、農薬や化学肥料を使わずに育てた亀の尾米の純米・山廃仕込のお酒です。天然の優しく奥深い味わい、自然な旨みが穏やかに広がります」
▼ 山岡酒造は1890年代の創業。広島県北部、内陸に位置する蔵。
山岡酒造ホームページから、ポイントを3点ほどピックアップ。
● 「仕込み水は、蔵から4km、冬季には積雪が多い標高500mの山際から湧き出る「有田清水」を使用。水質は、中軟水、適度なミネラル分が酵母の健全発酵を支えます。とりわけ、低温で空気中の硝酸還元菌や乳酸菌発酵から始まる、江戸時代から続く酒母(しゅぼ)づくり(酵母の育成方法)、きもと酒母には欠かせない最適の仕込み水です」
● 「流行の酒質を追うのではなく、地域の食事との相性を基本に食文化に貢献する酒造りです」
● 「今日本酒の味わいは、かつての淡麗辛口の流れから、より食事を楽しむことができる芳醇辛口のお酒へと進化しています。瑞冠は、口当たり柔らかく、のど越しはきりりと切れる、飲み飽きしない芳醇辛口のお酒です。適度な熟成を経て、全種類、お燗もできるお酒です」
この瑞冠は、新酒を3年寝かせるか酒造年度が3年以上前のものを手に入れるかという第三段階(「埼玉の地酒、ひこ孫 純米清酒の熱燗でトマトソースのハンバーグをいただく――あるいは日本酒の熟成と燗への第三段階」)の条件を踏まえて購入した1本で、この日に抜栓。内陸に位置する蔵ということで、まずは肉料理で。
この日の料理は、フードプロセッサーでつくった煮込みハンバーグと自家製ザワークラウト。「『サンダー・キャッツの発酵教室』に触発されて、キャベツと塩だけでできる自家製ザワークラウトづくりにはまり、常備するようになった」で、料理だけ先に取り上げていた。その記事で書いたように、自家製ザワークラウト第一号なので、付け合わせというよりザワークラウトが主役ともいえる。
瑞冠の熱燗で。広島の地酒といえばコンスタントに飲んでいるのは竹鶴くらいだが、亀の尾は珍しいのではないかと思い、調べてみた。「山岡酒造|広島名店ばんざい!」によれば、広島で亀の尾を仕込んでいるのは山岡酒造だけだという。「蔵の傍にある自社田では社長自ら「合鴨農法」で育てる減農薬の「亀の尾」を栽培」とあり、裏ラベルを見直してみると、確かに原料米生産者として山岡克巳の名前が刻まれていた。
熟成によるやわらかい口当たり、シャープな酸、凝縮感のある旨みに自家製ザワークラウトの酸が絡み合う。
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