乾燥豆の備蓄を念頭に置いた豆料理レッスンのきっかけは、「アーミッシュが備蓄している賞味期限のない食品20選」という動画。20種類の食品のなかで、乾燥豆は生蜂蜜に次ぐ第2位で、「アーミッシュの自給自足の礎」と表現されている。
前回は赤いんげん豆とさつまいもと青バナナを煮込んだコンゴ(旧ザイール)の家庭料理ビトトをつくった。今回はチャナ豆(ひよこ豆)。前回、ひよこ豆を使った料理(モロッコ料理ホンモス・マア・ジャージ)をつくってから、買い物をしてひよこ豆の備蓄が増えた。

今回の料理の参考書は、レヌ・アロラ著『私のインド料理』(柴田書店、1983年)。そこから選んだのは、チャナ豆(ひよこ豆)のカレー、チャナ・マサラ(Chana Masala)。これははじめてではなく、たまに思い出したようにつくり、記事にもしている。たとえば、「香川の地酒、悦凱陣 山廃純米 無濾過生 讃州雄町 H29BYの熱燗でタンドリーチキン、ひよこ豆のスパイスカレー、クミンシードを練り込んだ自家製レーズン酵母のカンパーニュをいただく」。でも、ここしばらくはつくっていなかった。

こちらが完成したチャナ豆(ひよこ豆)のスパイスカレー、チャナ・マサラ。2種類の自家製ザワークラウトを添えた。
材料は、カレーベース(玉ねぎ、トマト、サラダ油、クミンシード粒)、チャナ豆(ひよこ豆)、クミンパウダー、コリアンダーパウダー、レッドペッパー、ターメリック、ガラムマサラ、塩、水。カレーベースをつくるために、けっこうな量の玉ねぎを飴色になるまで炒めるのは手間だが、それだけのことはある。
ということで、またつくるときのために、他のレシピと比較・観察してみる。
チャナ・マサラは、最近活用しまくっている『世界の豆料理 中東、アフリカ、米大陸、ヨーロッパ、アジアの郷土色あふれる120のレシピ』(誠文堂新光社、2016年)でも取り上げられている。材料は、ひよこ豆、サラダ油、クミンシード、玉ねぎ、にんにくしょうがペースト、チリパウダー、ターメリック、コリアンダー、ホールトマト、塩、カスリメティ、クミンパウダーなど。
こちらは、玉ねぎから炒めだし、にんにくとしょうがのペーストを加えて炒め合わせ、チリパウダー、コリアンダーパウダー、ターメリック、クミンシード、粗く砕いだ唐辛子、塩、マンゴーパウダー、ニゲラシード(カロンジー)を加えて炒め合わせ、トマトピューレを加えて炒める。そこにゆでたチャナ豆(ひよこ豆)と水を加え、煮込む。仕上げに刻んだフレッシュのコリアンダーを加え、ひと混ぜして完成。とてもおいしそうに見える。
こちらはパンジャブ地方の典型的なレシピとは少し違うチャナ・マサラという前置きからはじまる。チャナ豆は、水、ティーバッグ、シナモンスティック、ベイリーフ、塩、重曹などと圧力鍋で煮る。豆には色がついている。鍋にオイル、シナモンスティック、ベイリーフ、クミンシードを加え、紫玉ねぎのみじん切りを投入。玉ねぎが茶色くなるまで炒め、しょうがにんにくペースト、カットトマト、青唐辛子を入れてよく炒め、ターメリック、チリパウダー、コリアンダーパウダー、クミンパウダー、ガラムマサラ、マンゴーパウダー、塩を加えて炒め合わせる。チャナ豆と煮汁、水を加え、煮込む。仕上げにアナルダナパウダーとカスリメティを加える。最後に好みでギーを加える。これも見るからにうまそう。
《参照/引用文献》
● 『世界の豆料理 中東、アフリカ、米大陸、ヨーロッパ、アジアの郷土色あふれる120のレシピ』(誠文堂新光社、2016年)