「長珍 純米吟醸 無濾過・本生 生生熟成5055 R2BY」と「悦凱陣 山廃純米 無濾過生 遠野亀の尾 H30BY」は、芹が谷にある秋元商店で購入。
「長珍 純米吟醸 無濾過・本生 生生熟成5055 R2BY」の基本的な情報をまとめておくと(ラベルなど参照)、醸造元:長珍酒造株式会社/醸造元所在地:愛知県津島市本町/原材料名:米・米麹/原料米:(麹米)兵庫県産山田錦 二割・(掛米)広島県産八反錦 八割/精米歩合:麹米50%・掛米55%/酒度:+8.0/酸度:1.8/熟成品温:-4.0~-5.0℃/アルコール分:18度/製造年月:2021.11/TNo.109。
醸造元のコメント(ラベルより):「上槽後オリを引きそのままの状態(無濾過・本生)で冷却貯蔵タンクにて熟成させ、そのタンクより生のまま1本ずつ直汲みをしたお酒です。蔵内で程よく熟したまろやかな生の旨味、とろりとした舌触りの滑らかさをそのままご堪能いただけるよう濾過・割水・火入など何も手を加えないで蔵出しをしております。生ものですので早めにお召し上がりください。開栓には十分にご注意下さい」
この長珍は「福井と愛知の地酒、白岳仙 純米吟醸 白練 R3BYと長珍 純米吟醸 生生熟成5055 R2BYのぬる燗と上燗で大根の醬油漬け、しめさばのマリネ、さごしととくびれのしゃぶしゃぶをいただく+塩ゆずと塩レモンの仕込み」のときに抜栓してから常温保存で1か月。その前に飲んでいた生生熟成5055はR1BYで、飲み切らずに保存してある。R1BYとのスペックの違いは、酒度が+6.0から+8.0になっただけで酸度も同じ。
長珍酒造の所在地は、愛知県津島市本町。海に近いだけでなく、蔵のある地域は昔は海だったという。
「悦凱陣 山廃純米 無濾過生 遠野亀の尾 H30BY」の基本的な情報をまとめておくと(ラベルなど参照)、醸造元:有限会社丸尾本店/醸造元所在地:香川県仲多度郡琴平町/原材料名:米(岩手県産)・米麹(岩手県産米)/原料米:亀の尾100%(岩手県産)/精米歩合:70%/使用酵母:熊本9号/仕込総米:525kg/日本酒度:+8/酸度:2.2/アミノ酸度:1.0/アルコール分:18度以上19度未満/醪日数:30日/醸造年度:平成30酒造年度仕込第21~22号/製造年月:03.04。
醸造元のコメント(裏ラベルより):「凱陣は、四国は讃岐の国こんぴらさんの東に在る蔵の手造り清酒です。当初は幕末時代天領で桂小五郎や高杉晋作が潜伏していたこともある蔵で、選び抜かれた国内の新米と讃岐の偉人空海ゆかりの満濃水系の伏流水を使い丹精込めて醸し上げた純米造りのお酒でございます」
原料米について(裏ラベルより):「遠野亀の尾(とおのかめのお)のこと
岩手県遠野市で、無肥料・無農薬による自然栽培米づくりに挑戦している勘六縁(かんろくえん)さんの亀の尾です。
こだわりを持った米作りは、凱陣の酒造りと通じるものがあります。食べてもおいしいお米です」
せっかくなので勘六縁のHPから、亀の尾の紹介文も引用しておく。
「日本のお米の原点
1893年(明治26年)に山形県庄内で生まれた、日本で最も古い品種の一つ。いまある品種の多くが亀の尾を祖先としていることから日本の稲作の原点は亀の尾にありと考え、大切に育てています。背丈が高くて倒れやすく、病気に弱いので、今ではほとんど作られなくなりました。酒米(酒造好適米)として知られていますが、ご飯として食べても美味しいです」
購入してからけっこう長い間、常温で寝かせておいた凱陣 遠野亀の尾。「香川の地酒、悦凱陣 山廃純米 遠野亀の尾 無濾過生 H30BYの常温と上燗でイタリアン風 真鯛の刺身、真鯛のかぶとのソテー ビルバオ風、あらのトマトスープをいただく」のときに抜栓してから常温保存で8か月と2週間ほど。
丸尾本店の所在地は、香川県仲多度郡琴平町。海か山かといえば、比較的海に近い蔵といえるか。
たこの酢の物。雑賀の万能調味酢「お手間とらせ酢」をかけるだけ。
今度は凱陣の遠野亀の尾の上燗で。錫半のちろりに入れた酒を湯煎で50℃まで上げて、それをお気に入りのごつい陶器の徳利に少し高い位置から注ぎ、徳利を湯に戻してしばらく待つ。最終的な温度は確認しないので、便宜的に上燗としている。
【日々の独り言】
SF作家キム・スタンリー・ロビンスンの著作群についての話。
ジョナサン・ストラーン編『シリコンバレーのドローン海賊:人新世SF傑作選』には、キム・スタンリー・ロビンスンのインタビューが収録されている。インタビュアーは作家/批評家のジェイムズ・ブラッドレーで、このインタビュー記事の導入部で、ロビンスンの作品群について以下のように書いている。
「ロビンスンの代表作は、数世紀にわたる火星への入植と火星の変化、そして新たな社会を築くにあたっての倫理的・政治的な挑戦を描いた《火星三部作》だろう。だが、ロビンスンのもっとも重要な遺産は、『2312 ―太陽系動乱―』からはじまるすばらしい一連の長編群になるかもしれない。十年足らずのあいだに刊行されたそれら六冊で、ロビンスンは驚異的に斬新な手法で人類の過去と未来を再解釈し、生態系と経済の不可分性を強調し、気候非常事態を中心に据えている」
その6冊のうち、『2312 ―太陽系動乱―』と最新作の『未来省』は読んだが、その間の4冊、『Shaman: A Novel of the Ice Age』(2013)、『Aurora』(2015)、『New York 2140』(2017)、『Red Moon』(2018)は未邦訳。すぐには無理だが、時間ができたら読みたいと思っている。特に『New York 2140』を。
《参照/引用文献》
● 『シリコンバレーのドローン海賊:人新世SF傑作選』ジョナサン・ストラーン編 中原尚哉他訳(東京創元社、2024年)
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● 『シリコンバレーのドローン海賊:人新世SF傑作選』ジョナサン・ストラーン編 中原尚哉他訳(東京創元社、2024年)
● 『未来省』キム・スタンリー・ロビンスン 瀬尾具実子訳(パーソナルメディア、2023年)