最近、購入した「クビンス ヨーグルト&チーズメーカー KGY-713SM KGY-713SM」で、今度はケフィアをつくってみることにした。種菌はいくつか市販されているようだが、比較的手に入れやすい「ホームメイドケフィア (ケフィアヨーグルト、種菌)」を選択。筆者は京急百貨店・上大岡店の食品売り場で購入。
▼ その紹介動画がこちら。
興味深いのは、「ケフィアとヨーグルトの比較|Nakagaki公式サイト」。動画にも、かつていち早く日本でケフィアを販売したものの、ケフィアは酵母が生きているため、酵母がつくる炭酸ガスで容器が破裂してしまい、販売中止となったというエピソードが出てくる。この比較によれば、ヨーグルトが乳酸菌の単独発酵であるのに対して、ケフィアは乳酸菌・酵母の複合発酵であるという。
ケフィアの発酵適温は20~30℃で、ヨーグルトよりも低いので、室温でも発酵できるが、「クビンス ヨーグルト&チーズメーカー KGY-713SM KGY-713SM」の付属のレシピには、ケフィアも含まれているので、これを使わない手はない。牛乳1000mlとケフィア菌1パックを容器に入れてよく混ぜ合わせる。
ここで、最近時間があるときに読んでいる食品や料理を専門とするジャーナリスト、マリー=クレール・フレデリックが書いた『発酵食の歴史』から、ケフィアに言及している部分を引用しておきたい。本書にはいろいろ想像力を刺激されている。
「発酵のなかには、時間の別の側面も表現されている。それは記憶である。発酵は歴史の一部、私たちの生きる文化の一部である。太古の昔からこんにちまで、発酵はなにひとつ変わっていない。象徴としてだけでなく、実際にそうなのである。その「レシピ」、仕事のこつ、発酵のやり方はかつて秘密にされ、親方から弟子へ口頭で伝えられた。昔のパン屋は自ら酵母を培養し、世代から世代へ受け継いできた。そのようにして何世紀も生きつづけている古い酵母も存在する。ケフィアの種菌も何世代も前から伝えられたものだ。ケフィアをつくる人はそれぞれ友人や知り合いから種菌を手に入れ、その知り合いは友人のそのまた友人からもらい……その友人へは、いまから三〇〇〇年前のとある羊飼いから連綿と受け継がれてきたのである」
料理にも使ってみた。肉にもソースにもケフィアを使ったオージービーフのサーロインステーキ。「ケフィアでやわらか牛ステーキ|ケフラン」を手本にした。材料は、オージービーフのサーロインステーキ肉、ケフィア、塩、こしょう、オリーブオイル、ゆずこしょう、レモン汁、アボカドなど。思ったより火が入ってしまったが、柔らかく、ソースともよく合い、おいしくいただけた。
《参照/引用文献》
● 『発酵食の歴史』マリー=クレール・フレデリック 吉田春美訳(原書房、2019年)
● amazon.co.jpへ