「奥鹿 生酛 山田錦六〇 無濾過原酒 H28BY」は、菅田町のちょっと行きにくいところにある酒の旭屋で購入。
基本的な情報をまとめておくと(ラベルなど参照)、醸造元:秋鹿酒造有限会社/醸造元所在地:大阪府豊能郡能勢町/原材料名:米(国産)・米麹(国産米)/原料米:自営田山田錦100%/酛:生酛/精米歩合:60%/酵母:7号酵母/アルコール分:17度/日本酒度:+8/酸度:2.4/アミノ酸度:1.7/2017年3月上槽/製造年月:2020.10
秋鹿はよく飲んでいるが、奥鹿ははじめてなので、筆者がよく参照する古川修『世界一旨い日本酒 熟成と燗で飲る本物の酒 (知恵の森文庫)』から、奥鹿に言及している部分を引用しておく。
「これらの生酛、山廃酛の酒はさらに三年熟成させ、創業者の奥鹿之助の名をとった「奥鹿」という銘柄で提供されるが、これがまた熟成の旨みが加わった逸品だ」
「この生酛を三年熟成させた奥鹿はなんとも言えない旨みのバランスが小宇宙を示していて、燗にすると思わず卒倒しそうな旨さがある」
この日の料理の前に、この日の発酵に関連した作業をいろいろ。
パンマットを使った成形の練習も兼ねて焼いた自家製ゆず酵母のパン。使えるようになったら便利なのだろうが、最初は要領がつかめず、だいぶ不格好なパンになった。
冷蔵庫に保存してあるフェンネル酵母の中種に、水と強力粉、少しの酵母エキスを継ぎ足す。「デパ地下の地場野菜コーナーで購入したフェンネル(フィノッキオ)から酵母を起こし、2種のチーズを使ったジェノベーゼカンパーニュを焼いてみる」のときに起こしたフェンネル酵母は、最初あまり勢いがなかったので、期待していなかったのだが、エキスを濾さずに様子をみていたらまだ気泡が出てくる。そのエキスを少し加えて継ぎ足ししたらけっこういい感じに育っていた。
この日に抜栓した三年熟成の奥鹿の熱燗で。ほんのりカラメル、きれいな酸と熟の旨み。「新酒を購入して3年寝かせるか、蔵で3年以上熟成させた酒を購入する」という第三段階(今のところの個人的な理想)にピタリとはまる酒。わが家にある酒のなかでは、秋鹿 生酛 純米生原酒 自営田山田錦 H28BY(「大阪の地酒、秋鹿 生酛 純米生原酒 自営田山田錦 H28BYの熱燗でスペアリブの味噌ヨーグルト漬けをいただく」)と酒造年度、製造年月が重なるので、飲み比べてみると勉強になりそう。
《参照/引用文献》
● 『世界一旨い日本酒 熟成と燗で飲る本物の酒 (知恵の森文庫)』古川修(光文社、2014年)
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