「諏訪泉 田中農場」は、筆者が常備している日本酒のひとつだ。
筆者の日本酒の参考書である古川修『世界一旨い日本酒 熟成と燗で飲る本物の酒 (知恵の森文庫)』で取り上げられている「諏訪泉 田中農場」の解説には、以下のような記述がある。
「諏訪酒造のある智頭町から十数キロ離れた八頭町で、百ヘクタールの農地を耕す田中農場の山田錦を原料米とした純米酒。田中農場は近所の牧場と協力して完熟たい肥を作り、化学肥料を一切使用せずに土づくりからこだわった農業を進めている。栽培された山田錦は「神亀 小鳥のさえずり」、「秋鹿 生酛」の原料としても使われている」
ということで、筆者の頭のなかには田中農場=山田錦という図式ができあがっていたが、菅田町にある酒の旭屋のサイトを見て、田中農場がコシヒカリなど食用米もつくっていて、酒の旭屋で売っていることを知った。
その田中農場のサイトを見ると、田中農場は、米や野菜、加工品などをつくっていて、酒米もつくっている、というのが正しい表現になるのだろう。最近、土壌劣化や堆肥などに関心を持っている筆者は、このサイトで説明されている田中農場の地元密着型の完全国産堆肥づくりにも興味を覚えた。
そこで、酒の旭屋に行って、すでに記事にもした「諏訪泉 田中農場 純米吟醸55% 種籾原酒」を購入したときに、田中農場のコシヒカリもその場で精米してもらって買ってきた。
その米を炊いてみてまず印象的だったのが粘り。そして食べてみると甘みがあってとても美味しかった。
それで今度はただ炊くだけでなく、鯛を丸ごと乗せて土鍋で鯛めしがつくりたくなった。我が家では、米は土鍋で炊いているが、それは火加減の調節がいらない炊飯用土鍋で、普通の土鍋でやったことはないので、ネットで火加減などを調べて炊いてみた。
これの前にいつも使っている2合炊きの炊飯用土鍋でも、切り身の鯛を使って鯛めしをつくってみたが、やはりこちらの方が美味しい。
自分の気に入っている日本酒と、その原料米の生産者がつくっている食用米を、しかも精米したてでいっしょに買えるというのはとてもいいと思う。
● amazon.co.jpへ