(※メモの状態のまま埋もれていた下書きをまとめた記事なので、季節感などがかなりずれている場合があります。なかには最低限の備忘録に過ぎない記事もありますが、振り返ってみると、1年半ほどの間にワインから日本酒に魅了されていく過程が見えてきて個人的に後々参考になりそうだったので、整理することにしました)
「黒帯 悠々 特別純米」は、磯子方面の散歩コースの近くに店をかまえる山本屋商店で購入。
基本的な情報をまとめておくと(裏ラベルや醸造元である福光屋の商品説明など参照)、醸造元:株式会社福光屋/醸造元所在地:石川県金沢市石引/原材料名:米、米麹/精米歩合:68%/原料米:全量契約栽培米・特別栽培米使用、山田錦五割五分(兵庫県多可町中区産)、金紋錦四割五分(長野県下高井郡木島平産)/製造法:特別純米・純米大吟醸酒混和(精米歩合50%2割5分混和)/アルコール分:15度/日本酒度:+6/酸度:1.6/味わいのタイプ:コクとキレが最高のバランス/飲み方:冷やす◎・常温◎・お燗◎/製造年月:2018.12。
醸造元のコメント(醸造元サイトの商品説明より):「悠々たる風格漂う料亭御用達の酒
吟醸仕込みと純米仕込みとでキレの良い芳醇な旨味を持つ辛口に仕上げ、さらに蔵内でじっくりと熟成させた、ゆったりと落ち着きのある「悠々(ゆうゆう)」とした味わいです。黒帯のはじまりの酒であり、最もスタンダードな黒帯で、昭和51年の発売以来、金沢の料理屋を中心に味覚のプロ達に鍛えられてきました。辛口ながら辛さを感じさせず、燗にするとやわらかく一層持ち味を発揮します。刺身、寿司など魚料理との相性が抜群です」
筆者の参考書である古川修『世界一旨い日本酒 熟成と燗で飲る本物の酒 (知恵の森文庫)』には、この「悠々 特別純米」が以下のように紹介されている。
「福光屋はかなり大きな酒造メーカーであるにもかかわらず、全量純米造りになった。銘柄として「加賀鳶」「福正宗」「鏡花」など色々なコンセプトのブランドを出している。そのなかで、料理に合わせて燗を楽しむコンセプトのブランドが黒帯だ。適度な酸が心地よく、魚介類によく合う。出荷量が多いので、色々な居酒屋で注文しやすい」
▼ 黒帯を醸す福光屋は、寛永2年(1625)創業。
仕込み水について(醸造元サイト「福光屋の酒造り」より):「霊峰白山の麓に一世紀前に降った雨が地中深く浸み込み、幾重にも重なる貝殻層をくぐり抜ける間に、酒造りに最適な成分をゆっくりと溶け込ませながら、実に百年の歳月をかけて福光屋の蔵に辿り着きます。ゆったりと悠久の時を過ごした水は、まさに自然の恵みとなり、福光屋の直下150メートルの地中から渾々と湧き出しています」
筆者はずいぶん前に2泊の予定でその霊峰白山に登り、2日目に雨に降られて計画が狂い、避難小屋に泊まるはめになったことがあるので、そんな仕込み水には想像をかきたてられる。
上記データにあるように純米大吟醸を混和しているためか、香りや味に上品さがある。クセがなく、なめらかで、魚介を中心に料理に幅広く合いそうだ。
この日の料理はまず、弘明寺商店街の鮮魚店・作清で買った明石の鯛の木の芽焼き。材料は、鯛の切り身、木の芽(わが家で育てているサンショウの新芽を使用)、塩、しょうゆ、酒(澤屋まつもと厨酒)、みりん、三つ葉など。
そして、横浜橋商店街にある鮮魚店黒潮で買ってきた根室産の黒かれいの煮つけ。材料は、黒かれい、しょうが、しょうゆ、みりん、砂糖、酒(澤屋まつもと厨酒)、水、ししとうなど。どちらの料理も、黒帯の熱燗から温度による味の変化を楽しみながら美味しくいただいた。
《参照/引用文献》
● 『世界一旨い日本酒 熟成と燗で飲る本物の酒 (知恵の森文庫)』古川修(光文社、2014年)