滋賀の地酒、萩乃露 特別純米 十水仕込 雨垂れ石を穿つで牡蠣の土手鍋をいただく

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(※メモの状態のまま埋もれていた下書きをまとめた記事なので、季節感などがかなりずれている場合があります)

「萩乃露 特別純米 十水仕込 雨垂れ石を穿つ」は、京急の南太田駅が最寄り駅になる横濱 鈴木屋酒店で購入。燗でうまい酒を探していて、これが目についた。

横濱 鈴木屋酒店で購入した「萩乃露 特別純米 十水仕込 雨垂れ石を穿つ」のラベル「萩乃露 特別純米 十水仕込 雨垂れ石を穿つ」の裏ラベル

基本的な情報をまとめておくと(裏ラベルや醸造元の商品説明を参照)、醸造元:株式会社 福井弥平商店/醸造元所在地:滋賀県高島市/原材料名:米(国産)・米こうじ(国産米)/原料米:山田錦・吟吹雪/精米歩合:55~60%/アルコール分:15度/製造年月:29.12。

醸造元のコメント(裏ラベルより):「感動、興奮、驚きを表す感嘆符「!」は、日本語で「雨垂れ」と読みます。確かに「!」の形は雨滴の落ちる様を思わせます。
この「雨垂れ石を穿つ」は、江戸時代に行われていた「十水仕込」という手法で造っています。この古の手法が生み出す味わいは、一言で言えば「!」。現在用いられる手法では生み出すことのできない、濃密にして爽やか、鮮烈な美味しさです。味わいの濃い料理など幅広い料理との相性の良さや、つめたく冷やしても熱めの燗でも楽しめる懐の深さにも驚かされます。
酒造りの神秘、そして今も昔も変わらない、心に響く美味しさを追い続ける造り手の情熱に思いをはせながら、お楽しみいただけますと幸いです」

原料米の「吟吹雪」がどんな酒米なのか、調べてみた。「滋賀の地酒/滋賀=水と酒米」によれば、滋賀県内の蔵元でよく使われている酒米は、「玉栄」「山田錦」「吟吹雪」「滋賀渡船6号」の4種類で、「吟吹雪」は、キレのよい辛口酒を醸造する「玉栄」と「山田錦」のDNAを受け継いだ滋賀の吟醸米とのこと。

▼ 福井弥平商店/萩乃露がテレビで紹介されたときの動画。創業は寛永年間(1748~51)。この動画、最初は一般的な醸造元の紹介のように見えるが、途中から「雨垂れ石を穿つ」が誕生することになった経緯が語られていく。2013年9月の台風18号で、高島市も大きな被害を受けたが、契約していた吟吹雪は奇跡的に被害を免れた。そこで、この貴重な米でなにか挑戦をと思い立ち、江戸時代後期に行われていた十水仕込という手法でこの酒が誕生した。

▼ 福井弥平商店は琵琶湖の湖西に位置している。水は比叡山系の伏流水(甘みのある柔らかな水)を使用。滋賀県といえば、2014年の夏に比叡山延暦寺の宿坊に泊まったことや、2015年の春に西国三十三所の古刹を中心に琵琶湖の湖東地域をめぐったことを思い出す。

この「雨垂れ石を穿つ」のアルコール分は15度。上の動画で印象に残ったのは、十水仕込でできる濃い酒を通常の仕込と同じアルコール度数までもっていっても、十水仕込のほうが濃くて深い味がするという社長の言葉。本日は、甘味と旨味が凝縮されたような酒で、牡蠣の土手鍋をいただく。

牡蠣の土手鍋

材料は、牡蠣のむき身、焼き豆腐、しらたき、白菜、春菊、長ねぎ、えのきだけ、しいたけ、八丁みそ、白みそ、みりん、砂糖、酒、だしなど。

鍋の内側に塗った合わせみそをだし汁で少しずつ溶かしながら味わう。甘味とコクのある合わせみそと燗した酒がよく合い、たいへん美味しくいただけた。