「レ・ヴァン・ド・ヴィエンヌ コート・デュ・ローヌ・ルージュ レ・クラニユ 2014」は、上大岡の京急百貨店で開催されたワインフェアで試飲して購入。
基本的な情報をまとめておくと(インポーターであるnakatoの商品説明を参照)、生産地:フランス、コート・デュ・ローヌ/生産者:レ・ヴァン・ド・ヴィエンヌ(Les Vins De Vienne)/品種:グルナッシュ60%、シラー30%、ムールヴェドル10%/熟成:ステンレスタンク25%、小・中旧樽熟成75%、約12ヶ月間/備考:クラニユ(Cranilles)というのは、ぶどうの巻きひげ(Vrille)の方言なのだという。
レ・ヴァン・ド・ヴィエンヌは、フランソワ・ヴィラール、ピエール・ガイヤール、イヴ・キュイユロンというコート・デュ・ローヌ北部の3人の醸造家が、1996年に設立したドメーヌ兼ネゴシアン。彼らを結びつけたのは、古代のぶどう畑“シシュエル(Seyssuel)”を復活させるという夢で、1996年にワイン醸造のために休耕地を借りたことが出発点になっている。(日本語の記述やGoogle Mapでは、セイシュエルとかセシュエルと表記されているようだが、この先で紹介する動画などではシシュエルの方が近いように思える)
好奇心旺盛なピエール・ガイヤールは、オリヴィエ・ド・セール、プルターク、プリニウス、アンドレ・ジュリアンといった歴史家/作家たちの著作を掘り下げ、ローマ時代、中世、19世紀にこの土地のワインを賞賛する記述を見出した。このチームは、そんな歴史に埋もれ、忘れられたぶどう畑を現代に甦らせたといえる。
▼ こちらがそのピエール・ガイヤール。紹介しているのは、ローヌ川をはさんでシシュエルの対岸に位置するコート・ロティで造ったワイン。(フランス語)
▼ こちらがフランソワ・ヴィラール。シシュエルで造ったワインを紹介している。(英語)
▼ イヴ・キュイユロンがレ・ヴァン・ド・ヴィエンヌとそのワインを紹介する動画。司会者が、イヴのことをわざとフランソワ・ヴィラールやピエール・ガイヤールと紹介するオープニングはふざけているが、その後はちゃんとした紹介になっている。ぶどう畑の画像も見られる。(英語)
ラベルの下の方にキュイユロン、ヴィラール、ガイヤールという3人の名前が刻まれたワインを飲みながら、コート・デュ・ローヌのワインをあまり試していないことに気づいた。筆者が、手頃な値段でありながら、とても美味いと思っているワインの1本が、「ドメーヌ・ドゥ・ラ・バスティード コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ ヴィザン」でありながら、この地域を意識していなかった。ちなみに、「ヴィザン」は、シラー40%、グルナッシュ40%、ムールヴェドル20%で、この「レ・クラニユ」は、グルナッシュ60%、シラー30%、ムールヴェドル10%。南に位置するヴィザンと北のレ・クラニユでは、テロワールも違ってくるのだろうが、これらの品種のバランスが筆者の好みの味になっているような気もする。
本日の料理は、ヴィザンを飲むときと同じように和食でもよかったのだが、近所のスーパーで豚足が目につき、北イタリアの煮込み料理カッスーラ(Cassoeula)にチャレンジしてみた。
『鍋料理 寄せ鍋からビーフシチューまで、温かい世界の家庭料理(暮しの設計 NO.161)』で、「ソーセージとキャベツの煮込み」として紹介されていた北イタリアのロンバルディア地方に伝わるという煮込み料理。
材料は、豚足、ベーコン、キャベツ、ソーセージ、玉ねぎ、にんじん、セロリ、にんにく、トマトの水煮缶、オリーブオイル、鶏のだし汁、クローブ、ローリエ、塩、こしょうなど。豚足の下処理と材料を弱火でゆっくり煮込むのにそれなりに時間はかかるが、解説にあるように「口当たりのやわらかい料理」で、美味しくいただけた。