発酵リバイバリスト、サンダー・キャッツの動画に触発されて久しぶりに紫キャベツのザワークラウトをつくった、たった2日で紫が鮮やかな濃いピンクに!

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発酵リバイバリスト(復興主義者)、サンダー・エリックス・キャッツの『サンダー・キャッツの発酵教室』に触発されて、自家製ザワークラウトにはまり、常備するようになったことは、昔の記事で書いた(「『サンダー・キャッツの発酵教室』に触発されて、キャベツと塩だけでできる自家製ザワークラウトづくりにはまり、常備するようになった」)。もう5年以上前のことだが、先日のようにキャベツが異様に値上がりするといったことがない限り、いまもつづいている。

2日前に仕込んだザワークラウト

これは10日前に仕込んで、その2日後に撮影したもの。この時期は翌日から気泡がどんどん出てきて、3日後にはもう好みの酸味になっている。キャベツ以外の野菜でトライしたり、スパイスを入れたりしたこともあるが、最近は基本に戻ってキャベツと塩(2%)だけでつくっている。

ところが、たまたまサンダー・キャッツがザワークラウトをつくる動画を見て、普通のキャベツとは違うザワークラウトをつくりたくなった。彼がつくっていたのは、紫キャベツと普通のキャベツ、にんじん、紫たまねぎ、にんにくを合わせたザワークラウトだった。ちょうど近所の八百屋でかなり安い紫キャベツを見つけたというのもある。

紫キャベツににんじんと普通のキャベツをブレンドしたザワークラウト

3日前に仕込んだザワークラウト。安売りしていた紫キャベツを中心に、小ぶりのにんじん2本と普通のキャベツ4分の1程度をブレンドし、2%の塩で。ちなみに、動画のサンダー・キャッツは、塩の量は目分量で、味見しながら決めている。”サンダークラウト”と呼ばれるだけあってそこは慣れたもの。

2日前に仕込んだ紫キャベツ中心のザワークラウト

仕込んで2日後の紫キャベツ中心のザワークラウト。発酵による色の変化は一目瞭然。これまで紅しぐれや紅くるりなど、赤系だいこんを発酵させたときにも目にしてきた変化だが、やはりなにかワクワクする。

紫キャベツ中心のザワークラウトを味見する

さっそく味見。そのままではけっこう硬い紫キャベツがやわらかく、酸味も自分の好みで、にんじんの甘みも感じられた。もうほぼ完成といっていい。

最後に、サンダー・キャッツの動画で気づくことをひとつ。彼は、注意事項として、金属やプラスチックの容器を避けることを挙げているが、容器や器具を消毒するとか、手を洗うといったことは言わない(だからといって必要ないということではないが)。

『サンダー・キャッツの発酵の旅』サンダー・エリックス・キャッツ

サンダー・キャッツは、その著書『サンダー・キャッツの発酵の旅』の「はじめに」の部分で、若いころにアフリカを旅して、パームワインや雑穀ビールを味わったことを思い出しながら、以下のように書いている。

「8年か9年たって発酵に興味を持ち始めてから、私はそのことをよく思い出した。家庭でのビール醸造やワインづくりのアマチュア向け書籍は、あまりにも杓子定規だ。発酵培地を清潔に保つために化学薬品を使いなさい、手順のあらゆるステップで消毒をしなさい、そして特別な機器と市販のイーストやイーストフードを使いなさい。そんなことはちょっとやりすぎのように私には思える。私が出会った、技術もリソースも乏しい辺境の村落でパームワインや雑穀ビールをつくっている人たちを思うとき、そういった記述には首をかしげざるを得ない。彼らはカルボイやエアロックをどこから手に入れるというのだろう? ピロ亜硫酸カリウムやイーストフードは? そんなものなしに、彼らはどうやってあのすばらしい飲みものを発酵させているのだろうか? よりシンプルで伝統的な手法とは、どんなものなのだろうか? アフリカを旅した経験がなければ、私がそのような疑問を抱くことはなかっただろう。かの地では、そして世界中どこでも、発酵は食物資源を有効活用するうえで重要な要素となっている――ヤシの樹液だけでなく、ミルクや肉や魚から穀物、豆類、野菜、そして果物に至るまで、あらゆる食物が対象だ」

《参照/引用文献》
● 『サンダー・キャッツの発酵の旅――世界中を旅して見つけたレシピ、技術、そして伝統』サンダー・エリックス・キャッツ著、水原文訳(オライリー・ジャパン、2024年)
● 『サンダー・キャッツの発酵教室』サンダー・エリックス・キャッツ 和田侑子/谷奈緒子訳(ferment books、2018年)




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● 『サンダー・キャッツの発酵の旅――世界中を旅して見つけたレシピ、技術、そして伝統』サンダー・エリックス・キャッツ著、水原文訳(オライリー・ジャパン、2024年)
● 『サンダー・キャッツの発酵教室』サンダー・エリックス・キャッツ著、和田侑子/谷奈緒子訳(ferment books、2018年)