「日置桜 生酛玉栄 純米酒 H28BY」は、小田急線・本厚木駅から徒歩約7分のところにある寿屋酒店で購入。
基本的な情報をまとめておくと(裏ラベルなど参照)、醸造元:有限会社山根酒造場/醸造元所在地:鳥取県鳥取市青谷町大坪/製法分類:純米酒/酒造年度:28BY/原材料:米(鳥取県産)・米麹(鳥取県産米)/原料米:玉栄(使用比率100%)/酒米生産者:数馬豊/精米歩合:70%/アルコール分:15度/日本酒度:+13.0/酸度:3.0/使用酵母:無添加(蔵付酵母)/詰口年月:2020年3月/お勧めの飲み方:熱燗〇、飛切燗◎。
醸造元のコメント(裏ラベルより):「古来伝統技法『生酛』酒母で育てた純米酒です。近代醸造では醸出し得ない味わいが随所に見られます。これは蔵付の乳酸菌や硝酸還元菌といった様々な微生物が発酵に関与することで、より複雑且つ多面体・立体的な味わいが醸出されるからです。お燗で生酛の世界観をお楽しみください」
「無濾過のまま自然常温熟成させておりますので、濃い山吹色をしております」
寿屋酒店の商品説明:「とても軽くとても旨い
透き通ったシャンパンゴールド。焚火の後の微かな残り香。熟より枯れたという表現が相応しいかどうか?期待高まる香りです。とても軽く流れ引っかかるものが何もない。酸と渋は感じるもののそれらを忘れてしまいそうに綺麗です。盃を重ねると奥の奥に潜む微かな甘味を舌が理解し止まらぬ旨さに。なんかすんごい酒です。こういうのに出会えるから酒屋は楽しい」
この日置桜は、「鳥取の地酒、日置桜 生酛玉栄 純米酒 H28BYの飛び切り燗でいさきといわしの刺身、いわしのタルタルとガーリックソテー、いさきの木の芽焼きと煮つけ、潮汁をいただく」のときに抜栓してから常温保存で1年になるまであと2週間というところ。
日置桜|山根酒造場のサイトには、トットリ発酵通信という蔵元のリトルマガジンのコーナーがあり、酒の情報や蔵人のまかないなどをたまにチェックしている。今回、目に留まったのは、「おいしい温度」という2017年2月の記事。以下、冒頭部分の抜粋。
「先日とある農家さんのご自宅であったお料理とお酒を味わう会での出来事。
普段から、日置桜を飲んでいるとおっしゃる女性のお客さまに、いつもうちで飲むくらいのアツアツのお燗酒を味わって頂いたところ、一瞬でパっとお顔の表情が変わって「うわっ、おいしい~!家でも同じ銘柄のお酒を飲んでるはずなのに。温度ひとつでこんなに味が変わるんですね。まだまだ本当の美味しさを引き出せてなかった。精進します。」と言っていただくことがありました。
鳥取に帰ってきてからというもの「山陰は純米燗酒のメッカ」と言われていても、意外とまだまだ「いい酒は冷やで飲むもの」という固定概念をお持ちで、それ以外にはチャレンジしたくない方も多いんだな~(←傾向として特に年配の男性に多い)と感じることが続いていただけに、こういう素直で柔軟なリアクションはとても嬉しく励みになるものでした。
日本酒は温度によって味が変化するお酒ですが、そのなかでもうちは搾ってすぐの状態では苦苦の渋々で時間経過を経て味がのってくるお酒だったり。適切な温度までぐぐっと上げて、一手間かけることではじめて味がふくらむ、そんな社長いわく「面倒な酒(やんちゃで手のかかる子)」も多い酒蔵です」
さらにもうひとつ、文末の以下の付記にも注目。
「(ちなみにネットで飛び切り燗の温度を調べると、55℃と出てくることが結構多いのですが、我々の飛び切り燗の感覚は60~65℃くらいです。写真は生もと玉栄 23BYの裏貼り。表だけでなく裏ラベルもじっくり読むと、いろいろなメッセージが含まれていて楽しいです)」
ちなみにわが家の飛び切り燗は、60℃を越えたあたりを目安にしている。
日置桜の飛び切り燗で。記事の前半でリンクした抜栓時の記事のタイトルに、いさきの木の芽焼きが入っているので、メニューからもだいたい1年が経過したことがわかる。来年の木の芽焼きまではもたせたいところ。この軽さときれいさから、もっぱら魚介に合わせてきたような気がするが、この日は山菜も加えた。もちろん山のものもおいしい。
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