筆者がよく飲む鳥取の地酒「諏訪泉 田中農場」は、諏訪酒造がある智頭町から十数キロ離れた八頭町にある田中農場で栽培された山田錦を原料米として使用している。菅田町にある酒の旭屋では、「諏訪泉 田中農場」だけでなく、その田中農場で栽培される食用米コシヒカリの他、何種かの農場・農家直送の米を扱っている。その米は、1㎏単位で玄米を精米してくれる。
その田中農場のコシヒカリについては以前に記事を書いている(「諏訪泉の日本酒を通して知った田中農場の精米したてのコシヒカリが美味しかったので、土鍋で鯛めしをつくってみた」)。記事にはしてないが、そのあと、同じく酒米も栽培にしている冨田(兵庫県西脇市)のヒノヒカリも購入した。そのときはどちらも白米にしてもらったが、今回は田中農場のコシヒカリを精米せずに玄米で買ってきた。
前から玄米のことは考えていたが、その気になったのはデイビッド・モントゴメリー/アン・ビクレーの『土と内臓 (微生物がつくる世界)』の影響が大きい。以下、同書からの引用。
「ひと言で言えば、私たちがみんな、何を食べるかを考えるとき、自分が本当は何のために食べているのか、それは自分が食べたもので何をするのかを意識したほうがいいのではないかということだ」
その意識が、「プレバイオティクス」、あるいは「どのように大腸の住人を食べさせ、世話をしたらいいのだろう」という課題につながる。
「面白いのは、プレバイオティクスの価値が、食物繊維の消化のしにくさにあることだ。ある種の多糖類は、セルロースのように構造多糖類であり、植物の葉の部分に豊富に含まれる。また別の多糖類は、アミロースのように植物の貯蔵エネルギーで、ジャガイモやニンジンなど根菜類に広く見られる。リンゴやナシはまた別の多糖類、ペクチンを含み、タマネギやニンニクはイヌリンというありふれたプレバイオティクスの源だ。こうした多糖類を腸内微生物相は発酵させ、それによって生きていく。植物由来でない発酵性糖質もある。
しかし世界中の大半の人々にとって、これまで常に、そしておそらくこれからも、植物が主要なプレバイオティクス源だ。人類にとって重要な穀物は、イネ科植物の種子だ。それはセルロースに富み、他の発酵性糖質も少しだが含んでいる。全粒の形で食べれば、素晴らしいプレバイオティクスになるが、精製すると単糖になって、大腸に届く前に吸収されてしまう」
この日のおかずは、お約束の自家製サラダチキンときゅうりの自家製キムチ和え(「プロバイオティクスも意識しつつ、ザワークラウトにつづいて自家製キムチをつくり、常備するようになった」)。
すずきの西京焼き。「静岡の地酒、開運 無濾過純米 生酒の常温と京都の地酒、益荒猛男 山廃仕込 特別純米原酒の熱燗で黒むつとさんまの刺身、さんまの塩焼き、黒むつの塩麹焼きをいただく」のときに買ってきて仕込んでおいたもの。
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